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易経(周易)を読み解く 百九六(雷山小過 四五上)

2021年12月27日

九四 ・・| |・・
   之卦 十五地山謙

九四。无咎。弗過、遇之。往厲。必戒。勿用。永貞。
○九四。咎无し。過ぎず、之に遇ふ。往けば厲し。必ず戒めよ。用ふる勿れ。永く貞なれ。
 九四は剛健不中正(陽爻陰位)で事に及ばない性格なので咎を免れる。陰の勢力が強く陽の勢力が及ばない小過の時に、六五の天子(トップ)と程よく折り合い相親しんでいる。陰の勢力(応ずる六五と比する初六)を討ち滅ぼそうとして事を起こせば命が危ない。
 必ず自らを戒めて行動を慎むことが肝要である。決して陰の勢力を討ち滅ぼそうとして、剛健の才德を用いてはならない。幾久しく正しい道(「上るに宜しからず、下るに宜し(卦辞・彖辞)」)を固く守ることが肝要である。
象曰、不過遇之、位不當也。往厲必戒。終不可長也。
○象に曰く、過(す)ぎず之に遇ふとは、位、當らざる也。往けば厲(あやう)し。必ず戒(いまし)めよとは、終(つい)に長かる可(べ)からざる也。
 小象伝は次のように言っている。九四が六五の天子(トップ)と程よく折り合い相親しむのは、剛健の才能を包み隠して天子(トップ)に仕えるためである。必ず自らを戒めて行動を慎むことが肝要なのは、陰が過ぎる小過の時に陽が事を起こせば警戒され、終には禍を受けるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇本来なら運氣無事な時だが、下位の応爻(初爻)の意向に従って、身を退くべきである。このことを卦辞・彖辞に「下るに宜し。大吉」と云う。時運は衰退している。このことを認識せず、退くことを躊躇すれば、想定外の災難に遭遇する。また、応爻(初爻)に迷惑をかけられることがある。初爻と親しむのは慎むべきである。
○素直な気持ちで正直かつ忠実に上位の人に尽くすべきである。邪(よこしま)な心があればあっという間に危ない時に変ずる。
○部下を信用したことによって、自分の身が危なくなる。
○代理人が悪事を働いたことによって、家の財産を失うことになる。
○大切な帳簿を破損したり、帳簿が赤字になってしまう時である。
○職を失う(クビになる・解雇される)時である。
○上位の人に対して不正な事を犯してしまう。
○徒党を組んで不正な事を企画する。
○同居している人に事変が発生する。

以下省略。次の書籍をご覧ください。