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易経(周易)を読み解く 百九七(水火既済 全体)

六三 水(すい)火(か)既(き)濟(せい)
   ・|・坎水 |・|離火

                                                    互卦・綜卦・錯卦 六四火水未濟

既濟、亨小。利貞。初吉、終亂。
○既(き)濟(せい)は亨ること小なり。貞しきに利し。初めは吉、終りは亂(みだ)る。
 既濟は六爻全て正位・正応・正比と完璧な形(完成)をしている。既に完成しているので伸びしろがないのである。それゆえ、大きな事は成就しないが、小さな事なら成し遂げられる。正しい道(道德)を固く守ることが肝要である。完璧な形(完成)をしているので、最初は順調に事が運ぶが、やがては、完璧な形(完成)が崩れ始める(乱れていく)。栄枯盛衰の理(ことわり)である。

彖曰、既濟亨、小者亨也。利貞、剛柔正而位當也。初吉、柔得中也。終止則亂。其道窮也。
○彖に曰く、既濟は亨るとは、小なる者亨る也。貞しきに利しとは、剛柔正しくして位當れば也。初めは吉とは、柔、中を得れば也。終りに止まれば則ち亂(みだ)る。其道窮(きわ)まる也。
 彖伝は次のように言っている。既濟は大きな事は成就しないが、小さな事なら成し遂げられる。既に完成しており伸びしろがないので小さな事なら成就するのである。正しい道(道德)を固く守ることが肝要である。六爻全て正位(陽爻陽位・陰爻陰位)を得ているのである。最初は順調に事が運ぶのは、柔順な忠臣六二が中庸の德を具えており、適切に対処するからである。終には活動が停滞して完璧な形(完成)が崩れ始める(乱れていく)。完璧な形(完成)を基盤とした天下泰平の道が既濟のどん詰まりで上卦坎の困難に躓(つまず)いて行き詰まったのである。

象曰、水在火上、既濟。君子以思患而豫防之。
○象に曰く、水、火の上に在るは既濟なり。君子以て患(うれい)を思うて豫(あらかじ)め之を防ぐ。
 大象伝は次のように言っている。水(上卦坎)が火(下卦離)の上に在って、上下よく交わる。下に在る火が上に在る水を熱し、水は沸騰してその役割を全うする。すなわち、物事が完成する形である。君子はこの形を見習って、完璧な形(完成)を基盤とした天下泰平の時に将来の事(先々)を憂(うれ)えて(心配して)、予想される事態に備えて予(あらかじ)め対策を講じておくのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇始めは運氣盛んだが、後(のち)に衰える時である。まだ運氣が盛んなうちに、やがて運氣が衰えた時にどうすべきかを計画しておくべきである。また、中女と中男が親しくしているが、やがては離別する。陰陽応じ合うのは吉運だが、それぞれが役割を果たす時には自立している。すなわち、男(陽)は外で働き、女(陰)は内を治める。それぞれが自立しているから、応じ合うことができる。以上のことから、この卦が出たら、会った人とは離れることになる運命である。
○既に事業は成し遂げた。これから先のことが心配になる。これ以上の成功は求めずに、現状を維持すべきである。
○大事業は、最初はうまく進む。最後まではうまく進まない。
○物事が完成した時である。只管(ひたすら)正しい道を守って、これ以上成功しようと大事業を興そうとしてはならない。
○物事が決定する(決まる・落着する)時である。
○何事も適当(適度・適切)に対処すべき時である。
○自分と相手が争っている事があれば、第三者に依頼して仲介してもらえば、和睦が実現する。
○希望は叶うが、その状態は長続きしない。
○物価は最初上がって、後には下降する。
○商売はうまくいくが、利益は少ない。