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易経(周易)を読み解く 五一(火天大有 全体)

易経(周易)を読み解く

十四 火天大有 ―‥―離火 ―――乾天
互卦 四三澤天夬  綜卦 十三天火同人  錯卦 八水地比
大有、元亨。
○大(たい)有(ゆう)は、元(おおい)に亨(とお)る。
 大有は乾(天)の上に離(火・太陽・無我の天子)が在り、天上に太陽が燦(さん)々(さん)と輝き普(あまね)く天下万民を慈しみの光で照らす時。一陰の六五(無我の天子・指導者・リーダー)が君位に在り、五陽の賢人(臣民・万民)が帰服するので、何事もすらすら通るのである。

彖曰、大有、柔得尊位、大中而上下應之、曰大有。其德剛健而文明、應乎天而時行。是以元亨。
○彖に曰く、大有は、柔(じゆう)尊(そん)位(い)を得、大(だい)中(ちゆう)にして、上下之(これ)に應(おう)ずるを、大有と曰う。其(そ)の德剛(ごう)健(けん)にして文(ぶん)明(めい)、天に應(おう)じて時に行う。是(ここ)を以(もつ)て元(おおい)に亨(とお)る。
 彖伝は次のように言っている。大有は、柔順な六五(無我の天子・指導者・リーダー)が尊位に在(あ)る。六五は偉大な中(ちゆう)庸(よう)の德を具えており、上下五陽が心(しん)服(ぷく)しているから、大いに所有する(大有)と言う。六五は強く健やか(下卦乾)で明智(上卦離)を具えており、天命に順(じゆん)応(のう)して時に中(あた)る。それゆえ何事もすらすら通るのである。

象曰、火在天上大有。君子以遏惡揚善、順天休命。
○象に曰く、火(ひ)、天(てん)上(じよう)に在(あ)るは大有なり。君子以(もつ)て惡を遏(とど)め善を揚(あ)げ、天の休(きゆう)命(めい)に順(したが)う。
 大象伝は次のように言っている。太陽が天上に在って燦(さん)々(さん)と輝き普く天下万民を慈しみの光で照らしているのが大有の形である。
 君子(人の上に立つ者)はこの形に倣(なら)って、悪を絶って、善を勧(すす)め、天命に順応して、普く天下万民を慈しみの光で照らすのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)天性に恵まれ、氣力も充実しており、学問に優れている。経験豊富な人と交際しており、知識は豊富である。神仏のご加護によって、盛運に向かう。驕らないように気を付けるべきである。
○寛大で仁を具えた人が高い地位を得て、大衆から慕われる時。
○大富豪が善良な支配人を雇って財産を保つ時。
○思いやりと慈(いつく)しみの心で、大衆をやさしく教え導く時。
○太陽が遙かかなた天の真上に在る象(かたち)ゆえ盛運の時である。少しずつ傾いていく予兆もあるが、常に自戒して、慎みの心を抱き続ければ、長期間大有の時を維持することができる。
○富有になって人を侮り贅沢三昧するようになると、過失を犯すようになる。戒めるべきである。
○やっかいなことを引き受ける時でもある。
○売買で利益を得る。得た利益は手放さずに蓄えるべきである。
○女性が世帯主(あるいはリーダー)になる時である。
○女性が驕り高ぶって人から、嘲(あざけ)られる時でもある。
○離の卦徳である①聡明さや明智を持っていなければ、前には盗賊が立ち塞がり、後には悪口が飛び交っても、このことに気が付かない。②決断すべき時に決断できなければ、賢人を抜擢任用して小人を失脚させることはできない。③権威を具えていなければ(立派な人格を具えていなければ)、大衆から敬され慕われることはできない。以上の三つが具わってはじめて大有の時が成立する。
○多くの費用がかかるが得るところは少ない。人に施すことばかりで、自分が得ることはできない時。