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易経(周易)を読み解く 三七(風天小畜 初二三)

初九 ――‥ ――― 之卦 五七巽爲風
初九。復自道。何其咎。吉。
○初九。復(かえ)ること道に自(よ)る。何ぞ其(そ)れ咎(とが)あらん。吉。
 初九は正応六四のところへ進もうとするが、今は「柔よく剛を制する」小畜の時であり、六四は止める時(小畜)の主(一陰五陽の一陰にして主爻)である。初九は今は進んではならないことを理解し、途中で引き返して自分の居るべき処(正位)に止まる。
 このような初九の、どこに問題があろうか。必ずや幸運を招き寄せるであろう。
象曰、復自道、其義吉也。
○象に曰く、復(かえ)ること道に自(よ)るとは、其の義吉なる也。
 小象伝は次のように言っている。途中で引き返して自分の居るべき処(正位)に止まる。初九の行動は道義に適っているから、幸運を招き寄せるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)久しく通じなかった事が、ようやく通じるようになる。女性が幸運を招き寄せるが、そのことが反(かえ)って災難を招き寄せる。慎むべきである。一つの希望が叶った時は、それ以上を望んではならない。さらに新たな希望を叶えようとすれば、せっかく招き寄せた幸運が大きな損害に変じてしまう。よくよく慎まなければならない。
○人を疑えば人から信用されない。心の中に希望を抱いても、すぐそれを叶えようとせずに、じっと待っていれば、利益を得る。

九二 ――‥ ――― 之卦 三七風火家人
九二。牽復。吉。
○九二。牽(ひ)きて復(かえ)る。吉。
 九二は勇敢に上(のぼ)り進もうとするが、中庸の徳を具えているので、初九が途中で引き返して自分の居るべき処(正位)に止まるのを見て、進めば支障があることを悟る。
 そこで、上り進むのを止めて静かに時を待つ。それゆえ、幸運を招き寄せる。
象曰、牽復在中、亦不自失也。
○象に曰く、牽(ひ)きて復(かえ)る。中(ちゆう)に在(あ)り。亦(また)自(みずか)ら失わざる也。
 小象伝は次のように言っている。九二は勇敢に上(のぼ)り進もうとするが、初九が途中で引き返して自分の居るべき処(正位)に止まるのを見て、進めば支障があることを悟る
 中庸の德を具えているので、小畜の時に適切に対処して、自分を見失わないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)何か事業を進めようとするが、進めれば誰かに妨害されることを知って、途中で事業を進めることを断念する。だが、微妙な兆しを察する明智があるので、自ら事業を止めて、災難を招き寄せることを回避し、吉運を招き寄せる。
自ら事業を止めることができない人は、凶運に陥るしかない。
この爻が出た人は、正直で常に人の道を踏み外さない。それゆえ、今は目上の人から引き立てられなくても、今いるところで信用できる人と連携して、共に成長していくことができる。
○直ぐに進んではならない。目下の初九と連携し、今やっていることを大切にすれば、吉運を招き寄せる。
○物事が滞り、立ち止まることがある。

九三 ――‥ ――― 之卦 六一風澤中孚
九三、輿説輹。夫妻反目。
○九三、輿(くるま)輹(とこしばり)を説(と)く。夫(ふ)妻(さい)反(はん)目(もく)す。
 やり過ぎる性格で剛に過ぎる九三は、「柔よく剛を制する」小畜の時なのに、妄進して止める時(小畜)の主(一陰五陽の一陰にして主爻)六四に止められる。
 九三は猛スピードで疾走していたので、車の車輪が外れる。本来なら、陰陽和合すべき九三と六四は睨(にら)み合って反目することになる。
象曰、夫妻反目、不能正室也。
○象に曰く、夫(ふ)妻(さい)反(はん)目(もく)すとは、室(しつ)を正すこと能(あた)はざる也。
 小象伝は次のように言っている。本来なら、陰陽和合すべき九三と六四は、睨(にら)み合って反目することになる。粗野な夫(九三)が年上の賢妻(六四)に愛想を尽かれ、家庭を正すことができなかったからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分が剛毅で真っ直ぐと過信して、強引にその志を実現しようと欲するが、小人が高い地位に居て、やんわりと、かつ、きっちりと、拒まれる。思っていることは実現せずに、争えば敗れてしまう時。
正しい理屈が通じない時だから、よくよく注意して、争い事に巻き込まれてはならない。そうでなければ、愚かな人に妨害されて難渋する。
また、大きな商家の支配人として、その商家を統制や統治するだけの権力がありながら、なかなか妻を娶(めと)ることができずに、どうしたらよいのか悩んでいるような時でもある。慎むべきである。
○妻が強情な性格なので、夫が怒っている。
○長官(上司)の威権に統制されて、不満を抱く時。
○前に進むことができずに、人と争う事がある。
○結婚するのは善くない(不利益な)時。
○思うことが実現できない。憂鬱な気持ちとなり、投げやりになる。
○恥をかいて面目を失う。
○見栄を張って仲違いする。物事を深く考えないから失敗して、不安を感じる時。万事、ボタンの掛け違いのようにギクシャクする。