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易経(周易)を読み解く 百八二(兌爲澤 全体)

五八 兌(だ)爲(い)澤(たく)
   ・||兌澤 ・||兌澤

                        互卦 三七風火家人  綜卦 五七巽爲風  錯卦 五二艮爲山

兌、亨。利貞。
○兌(だ)は亨る。貞しきに利し。
 兌は悦(よろこ)ぶ時。だが、悦べば箍(たが)が緩(ゆる)み羽目を外し、やがて乱れる。兌の時は上も下も、我も人も悦ぶ時である。それゆえすらっと通る。しかし、悦べば箍(たが)が緩(ゆる)み羽目を外してやがて乱れる。それゆえ、悦びの中に邪(じや)心(しん)や媚(こ)び諂(へつら)う気持ちがあってはならない。常に正しい道(純粋に悦び、悦ばせること)を固く貫くことが肝要である。

彖曰、兌、説也。剛中而柔外。説以利貞。是以順乎天、而應乎人。説以先民、民忘其勞。説以犯難、民忘其死。説之大、民勸矣哉。
○彖に曰く、兌は説(よろこ)ぶ也。剛は中にして柔は外なり。説(よろこ)びて以て貞しきに利し。是(ここ)を以て天に順ひて人に應(おう)ず。説びて以て民に先だてば、民(たみ)其(その)勞(ろう)を忘る。説びて以て難を犯せば、民其死を忘る。説びの大なる、民(たみ)勸(つと)む哉(なり)。
 彖伝は次のように言っている。兌は上も下も、我も人も悦(よろこ)び悦ばせる道を説(と)いている。心の中は剛(つよ)い真心で貫かれ(剛健な九二と九五が中庸の德を具えており)、外に対しては柔和で従順である(柔弱な六三と上六が九二と九五の外=上に在る)。それゆえ、上も下も、我も人も悦び悦ばせて正しい道(純粋に悦び、悦ばせること)を固く貫くことができる。以上のようであれば、天地の道理(継続すること)に順って事を図り、臣民(部下や大衆)の要望に適切に対処することができる。天子(トップ)が、上も下も、我も人も悦び悦ばせて臣民(部下や大衆)を率いるから、臣民(部下や大衆)は苦労を厭(いと)わないのである。上も下も、我も人も悦び悦ばせて國(こく)難(なん)に立ち向かうから、臣民(部下や大衆)は命をも惜しまずに國(こく)難(なん)に立ち向かうのである。上も下も、我も人も悦び悦ばせる兌の道は、何と偉大かつ崇高であろうか。天子(トップ)が、命をも惜しまずに國(こく)難(なん)に立ち向かうから、臣民(部下や大衆)は苦労を厭(いと)わずに自ら勤め励むのである。

象曰、麗澤兌。君子以朋友講習。
○象に曰く、麗(れい)澤(たく)は兌なり。君子以て朋(ほう)友(ゆう)講(こう)習(しゆう)す。
 大象伝は次のように言っている。上と下に澤(さわ)が並んで互いに潤(うるお)し合って涸れることがない。これが兌の形である。君子はこの形に見習って、同門同志(同じ師から學んだ朋友)を集めて、共に學んで実践し習慣化することによって人格を陶(とう)冶(や)するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇寛大で誠実。天地自然の道に順い、国家のために公益を図るべき時である。自分の利益を優先して、部下(大衆)を欺(あざむ)くことがあってはならない。
○立派な大人が相対して、謙遜して席を譲り合い、椅子が空いている。ふと気が付くと少女が上座に座っているような時である。
○一陰が二陽の上に進んで行き、外に喜びを見出す時である。
○知識に関することで友達と話し合う時である。
○物事が成就しても、柔弱な存在は必ず挫折する。すなわち何かに挫折する。あるいは何かを毀損する(折る・損なう)時である。
○何事も柔和であることが大切な時。または柔和であるべき時。
○何事も親しみ調和することが大切な時。または親しみ調和すべき時。
○何か喜ばしいことがある時。 ○季節に喩えれば秋。
○何かを損ない、何かを傷付ける時。 ○何かが露見する時。
○何かを習い教える時。 ○何かを愛し愛される時。
○饒舌なことが評価されたり批判されたりする時。
○病気を占った場合は、乾が兌の下にあるので治療が難しい。