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周易詳解(一部抜粋) 天澤履

十天(てん)澤(たく)履(り) ☰ ☱

 互卦 三七風(ふう)火(か)家(か)人(じん) ☴☲
 綜卦  九風(ふう)天(てん)小(しよう)畜(ちく) ☴☰
 錯卦 十五地(ち)山(ざん)謙(けん)  ☷☶

 天澤履はカリスマトップに必死で付いて行かなければ危ない時である。一生懸命頑張る人は報われるが、自己過信して頑張らない人は命を落としかねない。天澤履の時は五爻のカリスマトップが独裁体制を敷いている。だれも五爻に逆らうことはできない。逆らえば首を切られて命が危ない。だからみんな必死で頑張る。頑張るから本来の自分の力以上の結果を出すことができる。首を切られないように必死で頑張るから、普段の力以上の底力を発揮することができる。
 けれども、下卦兌☱の主爻(主)である三爻は自分の力を過信している。兌☱には「口達者、佞人、腰砕け」という意味がある。三爻は自分は陰爻陽位で力不足なのに、そのことを自覚していない。三爻は下卦の上位に居るから現場の長である。下の二陽に支えられて何とか現場の長の役割を果たしている。けれども自分の力で現場を管理していると勘違いしている。だから、みんなが必死で取り組んでいるのに、自分は必死にならない。自分には力があるから大丈夫だと思い上がっている。それゆえ、独裁者であるカリスマトップに目を付けられて失敗しようものなら殺されるような仕打ちを受ける。そのことを「虎の尾を履む」と言う。
 三爻には三つの性質がある。一つは下卦兌☱としての性質。一つは二三四爻の互体離☲としての性質。もう一つは三四五爻の互体巽☴としての性質である。
 離☲の性質である「明智・明德」を生かして物事をよく考え、巽☴の性質である「巽順・教化」を生かして善き教えに巽順に従えば「虎の尾を履む」こともないであろう。だが、一陰五陽の一陰である三爻は柔よく剛を制することができるはずなのに、天澤履の三爻はそれができずに虎の尾を履んでしまうのである。以下省略。