【離(☲)】
離は「火」である。火は真ん中が空洞である。真ん中が空洞だから虚心である。虚心は無我、無我は明德。明德は明智、明智は文明である。無我は明德に、明智は文明につながる。
易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「離は火である。附着するという意味である。火は万物を乾かし、物事を明らかにする。これは造化の作用である。人に当て嵌めると火のように明るい知識がある形である。」
そして、離が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「火、文明、附着、智慧、中女、眼、南方、夏、苦味、赤色、心臓、午(うま)、太っ腹、鋭い」
「(初爻)交錯、馬鹿正直」
「(二爻)見(あらわ)る、文、照明、資財、善、才子、學士、辨知、賢、優美、発明、怜悧、自得、洞察、知覚、着眼、臨機応変、予期、達観、聡明、美麗、光、形容、検査」
「(三爻)傍観、発表、眺める、煩悩、慢心、沸騰、忿懣、災害、焦眉」
黒岩重人著「易を読むために 易学基礎講座」(藤原書店)及び鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)を参考にして、「離(☲)」の象意を整理すると次のようになる。
一陰が二陽の間にある離は、中が空洞になっている。
〇自然 火(太陽)
○やまとことば う
○天気は晴れ
○季節は夏
○方位は南(後天)、東(先天)
○五行は火
○色は赤、紫 以下省略
【震(☳)】
震は「雷」である。雷は奮い動く。それゆえ震には動くという性質がある。震が動くから、万物は生成発展するが、時には自然災害となって人間を襲う。
易占の神様・高島嘉右衛門は、「高島周易講釈(八幡書店)」に次のように書いている(現代語に意訳した)。
「震は一陽が二陰の下にある。陽は剛くて動き升(のぼ)る性質がある。陰は柔らかくて静かに下降する性質がある。震は一陽が二陰の下に抑えられている。憤激して動き上がろうとする形である。人に当て嵌めると大人が小人の下に居る。智者が愚者の下に坐しているから、憤激して発出する形である。」
そして、震が具えている意味や性質を次のように整理している。(一部、著者が理解できない概念は省略した)
「雷、動く、働く、勤める、憤激、奮発、決断、動揺する、修めて省みる、賢人、祭主、長男、足、東方、春、酸味、青色、肝臓、往く、音、威權、道路、活力、意気地、勇気、勢い、活発、跋扈する、立志、電気、精力、声を発する、地震」
「(初爻)木、大作、事、発起、征討、志、怒る、進む、努力、侠気、率先、攻撃、昇進、気概、判決、侵略」
「(二爻)影響、名誉、雷同させられる、蹂(じゆう)躙(りん)」
「(三爻)雷同させられる、暴挙、傍若無人、蹂(じゆう)躙(りん)」
黒岩重人著「易を読むために 易学基礎講座」(藤原書店)及び鹿島秀峰著「現代易占詳解」(神宮館)を参考にして、「震(☳)」象意を整理すると次のようになる。
一陽が二陰の下にある震は、陰に押さえられていた陽が上り進もうとする。
〇自然 雷(電(いなずま)・雷鳴)
○天気は晴れ・雷・地震
○季節は春
○方位は東(後天)、北東(先天)
○五行は木
○色は青、碧(みどり) 以下省略