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六十四卦の概要 震為雷

五十一 震為雷 ☳ ☳

 震為雷☳☳は震☳が重なっている。雷鳴轟き地震も起こる。一旦、収まったかと思ったら、再び、雷鳴轟き地震が起こる。人々はパニック状態となって慌てふためく時である。震には「騒ぐ、憤怒、懲らす、刑する、罰する、制裁、性急、思慮不足、独断」という性質があるので、次のような混乱(非常事態)が発生しかねない。
○人々が騒ぎに騒いで社会が騒然となる時。
○人々の憤怒に憤怒が重なって大勢の人が国会を取り囲み大規模デモが起こり政治が混乱する時。
○懲罰を犯して刑務所に入り制裁を受ける人が続出して、社会に犯罪が溢れて人々が不安になる時。
○性急な人々が増えて、思慮不足な人々が物事を独断で決めるようになり、人間関係がギクシャクする時。
 また、震には「祭祀する、後を継ぐ」という性質もあるので、次のような時も考えられる。
○地域や国を挙げて「祭祀」を重んずるようになり、全国津々浦々で様々な「お祀り・お祭り」が盛んに行われる時。
○世界や日本で一つの時代が終わり、新しい時代が始まる中で、国や組織の体制が替わっていく(事業継承する)時。
 以上、震の卦象から震為雷の物語を考えてみた。何か社会的なハプニングが起こって、人々がパニックに陥り、社会が騒然となるのが震為雷のイメージである。
 次に震為雷☳☳の卦象を下から追って物語を紡いでいく。
 物語は下卦震からスタートする。下卦震の初爻がエネルギー源となってハプニングや騒動が起こる。下卦震の二爻と三爻の国民が吃驚して世間は騒然とする。やがて騒動は収まる(二三四の互体艮☶の止まる性質)が、三四五の互体坎☵の困難に世間は覆われて、騒動の余韻は続いて、人々は不安の中に置かれたままである。上卦震に移行すると、九四がエネルギー源となって再びパニックや騒動が起こる。不安の中に置かれたままの人々は理性を失い社会は騒然となり異常事態に突入する。しばらくすると騒動は収まって人々は理性を取り戻す。これまでの騒動を冷静に振り返ってみると、一時は終わらない不安の嵐だと感じていた事態が、実は大したことではなかったことに気が付く。