毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 八五(天雷无妄 初二三)

初九 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 十二天地否
初九。无妄。往吉。
○初九。无(む)妄(ぼう)なり。往(ゆ)きて吉(きつ)。
 初九は剛健正位で、下卦震の主であり无(む)妄(ぼう)の成(せい)卦(か)主(しゆ)(天災の主であり、また、天地自然の道に素直に順う時の主人公)でもある。至誠にして私心なく天の道に則(のつと)る(天地自然の道に素直に順う)无妄の時の始めに居て、无妄の道を全うする(天地自然の道に素直に順う)。それゆえ、何をやっても、最終的には幸福を招き寄せる。
象曰、无妄之往、得志也。
○象に曰く、无(む)妄(ぼう)の往(ゆ)くは、志を得る也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。初九が无妄の道を全うできる(天地自然の道に素直に順う)のは、天が命ずる志(己の天命)を心得ているからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)ひらすら至誠の心を抱いて、天の道に順えば吉運となる。少しでも不義・不正の思いが生ずれば、災害(天災・人災)に遭遇する。
○至誠の心を主とする時。 ○志を確立する時。

六二 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 十九地澤臨
六二。不耕獲。不菑畬。則利有攸往。
○六二。耕(こう)獲(かく)せず。菑(し)畬(よ)せず。則(すなわ)ち往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。
 六二は柔順中正にして剛健中正の九五に相応じており、天理(天地自然の道)に則(のつと)って無為自然に无妄の時に中(あた)る(天地自然の道に素直に順う)から、田畑を耕さなくても(事を起こさなくても)収穫があり、開(かい)墾(こん)しなくても(目的を追求しなくても)田畑を得る。無為自然の(天地自然の道に素直に順う)境地を保持すれば、進んで行っても宜しい。
象曰、不耕獲、未富也。
○象に曰く、耕(こう)獲(かく)せずとは、未(いま)だ富(と)まざる也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。田畑を耕さなくても(事を起こさなくても)収穫があり、開墾しなくても(目的を追求しなくても)田畑を得る。
 富を求める邪心なく、無為自然に无妄の時に中(あた)る(春には春やるべきことをやり、秋には秋やるべきことをやるように天災など天地自然の道に素直に順う)からである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)弱肉強食の時。自分の行いが正しく道理に適っていても、権力者の僕(しもべ)なので、権力者に支配され、小国は大国に呑み込まれる。このような時は、狼狽したり、躓(つまず)いたりする。しかし、薪を背負って火に向かって行くようでなければならない。
○思いがけなく祖先の積善の德の恩沢にあずかる時である。
○天沢履と同じく、礼に適っていても危うい立場にいて、傷付く時。
○私利私欲から離れる。希望を叶えようとする心を捨てる。物事を前に進めることは難しい。淡々とやるべきことをやるしかない。
○本業(本分)を固く守り、他に心を動かさなければ、思いがけない幸運に出遇う。

六三 ――― ‥‥― (天雷无妄)之卦 十三天火同人
六三。无妄之災。或繋之牛。行人之得、邑人之災。
○六三。无(む)妄(ぼう)の災(わざわい)なり。或(ある)いは之(これ)が牛を繋(つな)ぐ。行(こう)人(じん)の得(え)るは、邑(ゆう)人(じん)の災(わざわい)なり。
 六三は陰柔不中正、理由もないのに災難に遭遇する(天災は天地自然の道)。
 喩(たと)えて言えば、「ある人が繋(つな)いでおいた牛を、旅(たび)人(びと)が黙って牽(ひ)いて行ったところ、近くにいた村(むら)人(びと)が犯人と間違えられた」ようなもの(理不尽な話)だ。村人には何の落ち度もないのに、とんでもない災難に見舞われた(それが天地自然の道)なのである。
象曰、行人得牛、邑人災也。
○象に曰く、行(こう)人(じん)の牛を得(え)るは、邑(ゆう)人(じん)の災(わざわい)也(なり)。
 小象伝は次のように言っている。旅(たび)人(びと)が繋いでおいた牛を盗んだ。近くにいた村(むら)人(びと)が犯人に間違えられた。村人には何の落ち度もないのに、とんでもない災難に見舞われたのである。何とも理不尽な話だが、それが天地自然の道である。人間には耐え難い天災でも受け容れるしかないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)恋人や連れ合いを他人に奪い取られるように、理不尽なことが起こる時。また、他人が愛している女性が行方不明となり、その女性を奪って隠していると疑われることもある。淫行は慎むべきである。強引に災難を逃れようとすれば、逆に大きな災難に襲われる。自然に災難が去って行くのを待つしかない。
○多くの人の生命を奪う大災害が、誰も予測しない中で起こり得る時。
○人から疑われて、予想外の災難に遭遇することがある。
○対処してもうまくいかない。がんばっても正しく思われない。災難に遭遇する時。
○恐れ、驚く。 ○薄命。 ○無実の罪に陥る。