毎日連載! 易経や易占いに関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 百十五(火地晋 四五上)

2021年12月8日

九四 ―‥― ‥‥‥(火地晉)之卦 二三山地剝

九四。晉如鼫鼠。貞厲。
○九四。晉(しん)如(じよ)たり、鼫(せき)鼠(そ)なり。貞(てい)なれども厲(あやう)し。
 偉大な明德を備えた六五の天子(トップ)に、柔順な臣下が柔順に従う晉の時にあって、九四は六五の天子(トップ)と臣下の間を隔てようとする不心得者である。不心得者の九四が大臣(側近・ナンバーツー)の位に居て、柔順な家臣達(下卦三陰)が六五の天子(トップ)に付き従おうとするのを阻(はば)み、上下の間を隔(かく)絶(ぜつ)しようとするのである。
 昼は隠れて夜悪事を働く大(おお)鼠(ねずみ)のように国家を蝕(むしば)む賊臣である。それゆえ、善いことをしても誰にも評価されず、身を滅ぼして家を喪(うしな)うほど危険な状態に陥るのである。
象曰、鼫鼠貞厲、位不當也。
○象に曰く。鼫(せき)鼠(そ)、貞なれども厲(あやう)しとは、位(くらい)當(あた)らざれば也。
 小象伝は次のように言っている。九四が身を滅ぼして家を喪うほど危険な状態に陥る。六五の天子(トップ)を補佐する側近の位(くらい)に居ながら、その職務に背(そむ)くからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇天子の側近でありながら、天子の立場を危うくする存在である。自分の考え方を転換させなければならない。自分では良いと思っていても、知らず識らずにに悪い方向に流れてしまう時。
○父母に苦労をかけたり、父母を心配させたりする時である。
○知らず識らずに高慢になって、自分の地位が危なくなっていることに気が付かない時である。
○智恵があることが災いして、自信過剰になりやすい時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。