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六十四卦の概要 澤雷随 山風蠱

十七澤雷随 ☱ ☳

 雷地豫は春の雷に例えられたが、澤☱の下に雷☳が潜んでいる澤雷随は秋の雷に例えられる。春夏秋冬の順で整理すると雷に例えられる卦は次の四つである。
 春の雷 雷地豫☳☷(大地に出てきて轟き渡る)
 夏の雷 雷天大壮☳☰(天の上で激しく轟き渡る)
 秋の雷 澤雷随☱☳(活発な活動を止め湖の下に潜んで休む)
 冬の雷 地雷復☷☳(大地の下に潜んで春を待つ)
 澤雷随は随う時である。本来は随うべき相手でなくても今は随うべき相手に随う時である。それは卦象に表れている。すなわち、上卦☱は人間家族に例えれば「少女(女の末っ子)」である。下卦☳は「長男」である。普通は「長男」が上に居て、「少女」は下に居るべきなのに逆転している。本来なら「少女」が「長男」に随うべきなのに、今は「長男」が「少女」に随うべき時だから、「少女」の下に「長男」が居るのである。
 それゆえ、彖伝に「隨は剛(ごう)来(きた)りて柔(じゆう)に下(くだ)り、動きて説(よろこ)ぶは隨なり。/隨は下卦震(剛)が上卦兌(柔)の下に在(あ)る。剛(長男)が柔(少女)に随って動けば、柔(少女)は悦んで剛(長男)に従う。これが隨の時である。」とある。以下省略

十八山風蠱 ☶ ☴

 上卦艮☶の山の下で、下卦巽☴の風が吹き荒れ、物事が錯乱している。あるいは、上卦艮☶の山に遮られて、風が滞るから物事が腐敗する。錯乱して腐敗したのが「蠱」の字である。
 お皿の上の食べ物が乱れ腐敗して虫が湧いたのである。錯乱した状態を正すことが求められているが、錯乱した状態は「変革・刷新」によらなければ正すことはできない。
 組織に例えれば、事業環境の変化に対応できず、徐々に組織が乱れてきて、このまま何もしないと組織が立ち行かなくなるような状況である。このような状況を「変革・刷新」するためには、現体制を変えて対応することが求められる。
 山風蠱の時を分かり易く理解するためには、創業社長が大きく育てた会社が近年の急激な事業環境の変化に対応できず、業績が悪化している状況の中、すでに高齢者の年齢に達した創業社長には、これまで会社を大きくしてきた経験と自負心があるので、思い切った「変革・刷新」ができない。そこで、他社で働いている息子に会社に入ってもらい、次期社長として「変革・刷新」に取り組んでもらう時と考えるとよい。以下省略