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易経(周易)を読み解く 三四(水地比 初二三)

初六 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 三水雷屯
初六。有孚比之。无咎。有孚盈缶。終來有它吉。
○初六。孚(まこと)有りて之(これ)に比す。咎无し。孚有りて缶(ほとぎ)に盈(み)つ。終(つい)に來(きた)りて它(た)の吉有り。
 初六は誠実さに満ち溢れている。だから多くの人々と親しむことができる。それゆえ過失を免れる。初六の真(ま)心(ごころ)は質素な器に酒が溢れ出るように温かい。
 やがて、応爻六四を仲介して九五の天子(トップ)がやって来る。初六は天子(トップ)からご褒(ほう)美(び)を賜(たまわ)る(トップと親しい関係になる)。この上なく有り難いことである。
象曰、比之初六、有它吉也。
○象に曰く、比の初六は、它(た)の吉有る也。
 小象伝は次のように言っている。初六は誠実さに満ち溢れて多くの人々と親しむことができる。だから、直接縁故のない天子(トップ)がわざわざ初六のところにやって来る。初六は天子(トップ)から、直接ご褒(ほう)美(び)を賜(たまわ)る(トップと親しい関係になる)。初六の誠実さが至上の幸運を招き寄せたのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)発憤する心が芽生えて、知らない土地に出かけて行く。知っている人はいないが、至誠の心で勉強する。周りの人から信用されて、大きな幸福を得る。人を愛し、敬することを肝要とし、親切にして、苦労が報われなくても愚痴を言わず、人のために尽くす。多くの人から愛されて、生涯の立身出世と幸福の土台を築くことができる。
○万事心配しなくて宜しい。予兆なく(急に)吉運を招く。
○ある事が充実していれば、他の事も吉運を招く。

六二 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 二九坎為水
六二。比之自内。貞吉。
○六二。之(これ)に比すること内(うち)よりす。貞にして吉。
 六二は柔順中正の賢(けん)臣(しん)である。臣(しん)下(か)(部下)の立場(内卦)で誠実に九五の天子(組織のトップ)に仕える。常に正しい(臣下・部下の)道を固く守れば幸運を招き寄せる。
象曰、比之自内、不自失也。
○象に曰く、之(これ)に比すること内(うち)よりすとは、自(みずか)ら失わざる也。
 小象伝は次のように言っている。六二は臣(しん)下(か)(部下)の立場で誠実に九五の天子(組織のトップ)に仕(つか)える。臣下(部下)の立場を弁(わきま)えて、己(おのれ)を見失わないのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)九五の心情を察して、組織の下層から親しむので、徐々に上層部に知られるようになる。九五の援助を得て、幸福を得る時。自然に親しむことが肝要、巧言令色は不可。それを察する繊細な心が大切。
○内側(内面)から外側(外面)に親しみ、水が渾然一体と合わさるように真心を抱くから、吉運を招く。
○愛情が溢れ過ぎて、物事に陥り溺れることもある。

六三 ‥―‥ ‥‥‥ 之卦 三九水山蹇
六三。比之匪人。
○六三。之に比する、人に匪(あら)ず。
 六三は柔弱不中正でやり過ぎる性格である。みんなが相親しむ時に応比なく、誠実さに欠けているので誰とも親しむことができない。
象曰、比之匪人、不亦傷乎。
○象伝に曰く、之に比する、人に匪(あら)ず、亦(また)傷(いた)ましからず乎(や)。
 小象伝は次のように言っている。六三は相親しむ時に応比なく、誠実さに欠けているので誰とも親しむことができない(人に対する優しさが決定的に欠けているのである)。嗚呼(ああ)…何と痛ましいことであろうか。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)この爻が出たら、知らず知らずのうちに、善からぬ人と親しくなってしまうことになる。よくよく注意すべきである。
○猛省して、過ちを改めなければ、大きな災難に遭遇して、大苦難・大困難な状況に陥ることになる。
○自分が犯している過ちに早く気が付き、その過ちを改めて、善き心を取り戻したならば、自力で凶運を免れることができる。