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易経(周易)を読み解く 百四四(澤地萃 初二三)

2021年12月16日

初六 ‥―― ‥‥‥ (澤地萃) 之卦 十七澤雷隨

初六。有孚不終。乃亂乃萃。若號一握爲笑。勿恤。往无咎。
○初六。孚(まこと)有れども終(お)へず。乃(すなわ)ち亂(みだ)れ乃ち萃(あつ)まる。若(も)し號(さけ)べば一(いち)握(あく)して笑と爲る。恤(うれ)ふる勿れ。往きて咎无し。
 初六は柔弱不中正で真心が長続きしない。何を行うにも心が乱れて正応九四の大臣(側近)に順うべきか、あるいは応じる関係にはないが組織を率いている九五の天子(トップ)に順うべきか。どうしたらよいのか迷いに迷う。初六が泣き叫ぶように反省して正応九四に順うと決断すれば、九四は快く受け容れ、お互い握手して笑い合える。
 九五の天子(トップ)に順えないこと。そして、自分に決断力がなく真心が長続きしないことを憂えてはならない。迷いを断ち切り真心で九四に順えば誰にも咎められない。
象曰、乃亂乃萃、其志亂也。
○象に曰く、乃(すなわ)ち亂(みだ)れ乃ち萃(あつ)まるとは、其(その)志亂(みだ)るる也。
 小象伝は次のように言っている。初六は柔弱不中正で真心が長続きしない。何を行うにも心が乱れて正応九四の大臣(側近)に順うべきか、あるいは応じる関係にはないが組織を率いている九五の天子(トップ)に順うべきか。どうしたらよいのか迷いに迷う。
 初六が心乱れて迷いに迷うのは、正応九四の大臣(側近)に真心でお仕えして社会のお役に立とうという臣下として当然抱くべき志を確立していないからである。
【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇自分が思っていることを発言できない。自分の意志を貫くことが難しい。運氣が未だ到来していない時。あれこれ心配しても、どうにもならない。時が到来するのを待つべきである。
○自分が仕える人(主人・トップ)を求めても会えない。その側近(右腕・ナンバーツー)に面会して世話になる時である。
○他人には不利益だが、自分には利益になることをする時である。
○名誉を得るよりも、人德を磨くことが大切な時である。

以下省略。次の書籍をご覧ください。