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易経(周易)を読み解く 二五(水天需 全体)

五 水(すい)天(てん)需(じゆ) ‥―‥坎水 ―――乾天
互卦 三八火澤睽  綜卦 六天水訟  錯卦 三五火地晉

需、有孚。光亨。貞吉。利渉大川。
○需(じゆ)は、孚(まこと)有り。光(おおい)に亨(とお)る。貞なれば吉。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利し。
 需は孚(まこと)(上卦坎の性質)が剛健(下卦乾の性質)に支えられている。孚(まこと)は光のように隅々を普(あまね)く照らし、剛健な性質と相待って何事もすらっと通る。
 需の時における正しい(慈雨が降ってくるのをゆったりと待つ)道を固く守れば幸運に巡り逢える。正しい道を固く守れば難しい事に取り組んでも宜しい。

彖曰、需須也。険在前也。剛健而不陥。其義不困窮矣。需有孚、光亨、貞吉、位乎天位、以正中也。利渉大川、往有功也。
○彖に曰く、需(じゆ)は須(ま)つ也。険(けん)前に在(あ)る也。剛健にして陥(おちい)らず。其の義困(こん)窮(きゆう)せず。需は孚(まこと)有り、光(おおい)に亨(とお)る、貞なれば吉とは、天(てん)位(い)に位(くらい)するに、正(せい)中(ちゆう)を以てする也。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利しとは、往(ゆ)きて功(こう)有る也。
 彖伝は次のように言っている。需は自然に慈雨が降ってくるのを待つ時である。下卦乾(剛健)が前に進もうとするが、上卦坎(険難)が立ち塞がって容易に進めない。
 乾(剛健)は泰然と時が至るのを待つことができるから険難には陥らない。
 天命を素直に受け容れるから困窮することもない。孚(まこと)が剛健な性質に支えられて光のように隅々を照らしすらっと通る。正しい道(泰然と時が至るのを待つこと)を固く守れば幸運に巡り逢えるのは、九五の天子が剛健中正の德を具えているからである。
 正しい道(泰然と時が至るのを待つ)を固く守れば難しい事に取り組んでも宜しい。時が至るのを待って行動すれば、功績を上げることができる。

象曰、雲上於天需。君子以飲食宴樂。
○象に曰く、雲、天に上(のぼ)るは需(じゆ)なり。君子以て飲食宴(えん)樂(らく)す。
 大象伝は次のように言っている。雲が天高く上がり慈雨が降ってくるのを待っている形が需の卦象である。君子は、この形を見習って悠(ゆう)然(ぜん)と身心を養い(休養)宴楽して(飲み食い楽しんで)、ゆったりと慈(いつく)しみの雨を待つのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇常に心を磨き、人間として成長するように努力して、冷静沈着で落ちついた精神を常に保てるように心がけるべきである。五爻の時に至るのを泰然と待つべきである。常に篤実と謙遜を心がけ、調和を重んじ、人々からの信頼が厚い人は、自然に幸福を得る。事を急いで無理を重ね、目先の利益を求めれば、困ったことが起こる。慎まなければならない。
○進もうとすれば、険阻坎難に遭遇する。今は、直ちに進んではならない。何事も時が至るのを待つべきである。
○万事、成功するまでに時間がかかる。時が至るのを待っていれば、(五爻に至れば)終に成し遂げることができる。
○正しさを忘れ、慎む心を失えば、大きな困難に遭遇する。
○大きな志を抱いて、時が至るのをゆったりと待つ時である。
○競争は不可。 ○節操を守る時。 ○頭痛がする時。