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易経(周易)を読み解く 二百二(火水未済 四五上)

九四 |・| ・|・
   之卦 四山水蒙

九四。貞吉。悔亡。震用伐鬼方。三年有賞于大國。
○九四。貞にして吉。悔(くい)亡ぶ。震(しん)して用て鬼(き)方(ほう)を伐つ。三年にして大(たい)國(こく)に賞(しよう)有り。
 剛健だが陽爻陰位で不正の大臣(側近)九四は柔順で中庸の德を具えている六五の天子(トップ)に信頼されている。正しい道(しっかりと六五の天子を補佐すること)を固く守れば何事もうまく行き、後悔することもなくなる。潜在的な氣運は未完成から完成の時(下卦から上卦)に移行した。この段階で、気持ちを奮い立たせて夷(い)狄(てき)(外部から圧力を加えてくる敵)を伐(う)てば、様々な苦労を乗り越えて三年程度で功績を上げ、天子(トップ)からご褒(ほう)美(び)を授かるのである。
象曰、貞吉、悔亡、志行也。
○象に曰く、貞にして吉、悔亡ぶとは、志(こころざし)行わるる也。
 小象伝は次のように言っている。正しい道(しっかりと六五の天子を補佐すること)を固く守れば何事もうまく行き、後悔することもなくなる。未完成から完成の時に向かう時に、六五の天子(トップ)に信頼され、大臣(側近)としての志を実現するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇才能と知恵を具えているから、公的組織に登用され職務に励むけれども、世の人々を救うことは容易なことではなく心配事が多い。だが、天命に従い正しい道を固く守れば、功業を成し遂げて賞賛される。(才能も知恵もない)普通の人は、設備投資を(設備を活用)すれば、大きな利益を得られる。
○正しい道を固く守る努力を続ければ、吉運を招き寄せる。
○長年勉強してきたことが、何らかの形で報われる。
○何らかの使命を実行して、大成功を成し遂げる。

六五 |・| ・|・
   之卦 七地水師

六五。貞吉、无悔。君子之光。有孚、吉。
○六五。貞にして吉、悔无し。君子の光なり。孚(まこと)有り、吉。
 六五は柔順にして中庸の德を具えた天子(トップ)。虚心で賢臣九二や九四の大臣(側近)を信任して手厚い補佐を得る。未完成を完成の時に導く天子(トップ)として正しい道(側近と賢臣の補佐を手厚く受けて天下泰平を実現すること)を固く守れば何事もうまく行く。何一つ後悔することもない。六五の天子(トップ)は輝くばかりの文明の德(離の主)を具えており、真心が溢れている。文明の德が遍(あまね)く社会に行き渡り、やがては天下泰平(完成の時)が実現する。
象曰、君子之光、其暉吉也。
○象に曰く、君子の光とは、其れ暉(かがや)きて吉(きち)なる也。
 小象伝は次のように言っている。六五の天子(トップ)は輝くばかりの文明の德(離の主)を具えており真心が溢れている。君德が光輝き遍く社会に行き渡り、やがては天下泰平が実現する。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇柔順な人物が尊位に在る。心の中は謙虚で外面は朗らか。それゆえ、善い事を政治や経営に取り入れ、臣民に善い方向に導き、治国平天下を実現する。正しい道を固く守ったことで掴んだ吉運である。
○君子が世の中に多数現れて、世の人々を明るく照らし、世の人々は君子の人德によって、善い方向へと教え導かれる。
○人德のある人々が多数現れて、治国平天下を実現する。

上九 |・| ・|・
   之卦 四十雷水解

上九。有孚于飲酒。无咎。濡其首、有孚失是。
○上九。酒を飲むに孚(まこと)有り。咎无し。其(その)首(こうべ)を濡らせば、孚有れども是(ぜ)を失う。
 上九の老師は剛健にして能力高く、上卦離(文明)の極点に居る。未完成から完成の時に移行する段階は成就した。今は事を為す時ではない。今の立場と境遇に素行自(じ)得(とく)して、溢れんばかりの真心を外に出さずに内に包み込み、酒でも飲んで泰然自若と楽しむがよい。誰からも咎められることはない。しかし、子狐が大川を渡ろうとして、首まで水に浸かって溺れるように、首まで酒に溺れて歓楽に耽れば、せっかく手に入れた泰平の世を手放すことになる。
象曰、飲酒濡首、亦不知節也。
○象に曰く、酒を飲み首を濡らすは、亦(また)、節(せつ)を知らざる也。
 小象伝は次のように言っている。子狐が大川を渡ろうとして、上九が首まで水に浸かって溺れるように、首まで酒に溺れて歓楽に耽るのは、酒に呑まれて節度を失ったのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇苦労に苦労を重ねた上で大事業を成し遂げた。何の心配もない。これからは、世のため人のために尽くそうと考え、ゆったりとお酒でも飲んで泰然自若と楽しむがよい。しかし、度が過ぎると身を滅ぼす。このことを「孚(まこと)有れども是(ぜ)を失ふ」と云う。節度を知らなければ、苦労して得たものを失ってしまう。
○成功したことを誇らしく思うあまりに、無礼な行動をして、苦労して得た信用をあっという間にに失ってしまう時。
○長年かけて得た成功を、たった一日で失ってしまう時。
○お酒の上での失敗によって、名望を失ってしまう時。
○航海して(船に乗っては)はならない時。
○無事であることを、泰然と楽しむことができる。