三十七風火家人(ふうかかじん) ☴ ☲ 巽上離下
互卦 六四火水未濟☲☵
綜卦 三八火澤睽 ☲☱
錯卦 四十雷水解 ☳☵
風火家人は六十四卦の中で最も人間関係が良好な時である。物事が成就するしない、そういうこととは関係なく人間関係が良好な時である。今の時代は家族が崩壊しつつあり、単身世帯の人が少なくないが、人間本来の在り方は、家族が支え合って家庭を築き、お互い助け合って生活を営むことである。学校に行くことが辛くても、仕事が嫌で嫌でたまらなくても、家族がしっかり支え合って生活ができれば、お互いを思いやる気持が芽生えて幸せに生きていくことができる。
仕事や人生には必ず浮き沈みがある。陰陽消長卦が循環するように盛運になったり、衰運になったり安定しない。けれども家庭に帰って家族とふれあい、お互いを思いやる関係を維持することができれば、どんなに辛いことがあっても、グッと堪(こら)えて立ち向かって行くことができる。人間にとって家族と家庭はなくてはならない存在なのである。それなのに、今の日本は家族の人間関係が崩壊しつつあり、家庭が家族とふれあい、お互いを思いやる場ではなくなりつつある。
わたしたちが家族や家庭を失えば、人間としての拠り所を失うことになる。人間としての拠り所を失えば、絶対に幸せになれない。わたしたちは家族がいるから存在している。両親が存在しなければわたしたちは存在しない。その両親を中心とする人間関係で成り立っているのが家族であり家庭である。どうして、家族や家庭を蔑(ないがし)ろにすることができようか。
卦象は上卦巽☴の風と下卦離☲の火で成っている。台所のコンロの火が上に昇って風となり、コンロの上に置かれた鍋を温めて美味しい料理が出来上がる。家族みんなで美味しい料理を分かち合い幸せなひとときを過ごす。昔は多くの人が農業を営んでいた。お父さんとお母さんが協力してお米や野菜を作り、鶏を飼育した。力仕事はお父さんが担い、細かい作業はお母さんが担った。得られた食材をお母さんが台所で調理する。お父さんは薪割りなどの力仕事を担う。子供たちもお父さんとお母さんを手伝って、やがて料理が出来上がる。以下省略。