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易経(周易)を読み解く 七五(山火賁 全体)

易経(周易)を読み解く

二二 山(さん)火(か)賁(ひ) ―‥‥艮山 ―‥―離火
互卦 四十雷水解  綜卦 二一火雷噬嗑  錯卦 四七澤水困
賁、亨。小利有攸往。
○賁(ひ)は亨(とお)る。小(すこ)しく往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。
 賁は物事を彩(いろど)り飾ってすらっと通る時である。真(ま)心(ごころ)が充実していれば、彩り飾らなくてもすらすら通るが、彩り飾っているから通るのである。それゆえ、小さな事に取り組むのは宜しいが、大きな事に取り組むのは宜しくないのである。

彖曰、賁亨。柔來而文剛。故亨。分剛上而文柔。故小利有攸往。天文也。文明以止人文也。觀乎天文以察時變、觀乎人文以化成天下。
○彖に曰く、賁は亨(とお)る。柔來(きた)りて剛を文(かざ)る。故に亨る。剛を分かち上(のぼ)りて柔を文(かざ)る。故に小(すこ)しく往(ゆ)く攸(ところ)有るに利(よろ)し。天(てん)文(もん)也。文明にして以(もつ)て止まるは、人(じん)文(ぶん)也。天文を觀(み)て、以て時(じ)變(へん)を察し、人文を觀(み)て、以て天下を化(か)成(せい)す。
 彖伝は次のように言っている。賁(ひ)は物事を彩(いろど)り飾ってすらっと通る時である。地天泰の下卦乾の真ん中の陽爻が上卦坤の上の陰爻と入れ替わって(地天泰の上卦坤の陰爻が下卦坤に下って来て、下卦乾の陽爻と入れ替わり)山火賁の象となった。
 山火賁の下卦離は地天泰の象が剛柔相交わって彩り飾られたのである。離は明智ゆえすらっと通る。山火賁の上卦艮も地天泰の象が剛柔相交わって彩り飾られたのである。艮は止(とど)まるから小事は通るが大事は通らないのである。
 剛柔相交わり四(しい)時(じ)が循環し季節を彩り飾るのが天の道である。文明を程よい水準に止めるのが人の道である。聖人は天の道をよく観て事変を察し、人の道をよく観て天下萬(ばん)民(みん)を教化育成するのである。

象曰、山下有火賁。君子以明庶政、无敢折獄。
○象に曰く、山の下に火(ひ)有るは賁(ひ)なり。君子以(もつ)て庶(しよ)政(せい)を明らかにし、敢(あ)えて獄(ごく)を折(さだ)むる无(な)し。
 小象伝は次のように言っている。山(艮)の下に火(離)が赤々と燃え山を照らしているが、光(こう)明(みよう)は山に遮(さえぎ)られて遠くまで及ばないのが賁の形である。
 君子はこの卦象に倣って、様々な政策を明智で観察した上で、適切に対処するのである。裁判や刑罰のように人命に関わる大事については、軽々しく裁(さい)断(だん)してはならない。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)体裁を飾って(取り繕って)、人と親睦するので、物事が通じる(表面的に通じる)時である。他人のために何かを行えば、他人も自分のために何かを行ってくれるので、自他共に利益を得る。中女が下から少男を仰ぎ見ている。その際、中女は、お化粧で自分を飾り立てて、少男よりも若く見せて、年を誤魔化そうとする。
○白粉(おしろい)や紅(べに)を厚く塗って、飾り立てる時。
○発する言葉はもっともらしく信頼できそうだが、心の中は誠実さに欠けているので信頼できない。
○色々なことを思い付いて運が開ける時。
○物事を飾ることによって、通じるようになる時。
○実質があるものを飾り立てて、通じるようになる時。
○光をあてることによって、彩りが際立つ時。
○少しだけ進む(進める)には、よい時である。
○内面を修めて、その後外面を整えるから、何とかなる。
○外面はとても立派だが、内面がカラッポな時。
○山の下に火がスポットライトのように当たっている。火の周辺は明るいが遠くまで見通せない。小さな事を怠って、大切な事を誤る時。
○小さな願望は成就するが、大きな願望は成就しない。
○志氣が大きすぎて(大上段に振りかぶって理想を語るので)、人々から誹謗中傷される時。
○分不相応に自分を飾り立てて、心が不安定になる。
○言葉や文章を飾ったり、人格者を装ったりする。
○偽りを誤魔化すために飾り立てる(粉飾決算のような)時。
○口の中に物を含んでいる(腹にイチモツある)時。
○事を為すべきか、為さざるべきか迷っている時は、事を為さないほうが利益が得られる。
○智恵があるのに遠慮がちで、篤実な人物である。
○夜の闇の中のような時。 ○墓地という意味がある。
○外面は華美であるが、内面は困窮している時。
○物価は上がり、物品は飾られる。売買が活発になる時。