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易経(周易)を読み解く 三一(地水師 初二三)

初六 ‥‥‥ ‥―‥ 之卦 十九地澤臨
初六。師出以律。否臧凶。
○初六。師出(い)づるに律(りつ)を以てす。否(しから)ざれば臧(よ)きも凶なり。
 初六は戦(いくさ)の始めに処する道を説く。軍隊が出動する(組織が戦いを始める)時は、規律を厳格にする。規律が乱れると総大将(リーダー)に人物を得ても敗北する。
象曰、師出以律、失律凶也。
○象に曰く、師出(い)づるに律(りつ)を以てすとは、律を失(うしな)へば凶なる也。
 小象伝は次のように言っている。戦(いくさ)の始めに処するに、規律を厳格にするのは、軍隊(組織)の規律が乱れると、総大将(リーダー)に人物を得ても、戦に勝てないからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)事を為すには、事の始めをきちんとすべきである。調査をして、予測を立て、確乎とした見通しを持ってから始めるべきである。事を始めるにあたっては、規則をきちんと定めることが肝要である。そうでなければ、必ず失敗する。
○何事も、始めの段階は慎重に行い、過大な期待を抱くことなく、小さな事から始めれは、吉運を招き寄せる。
○剛毅に過ぎて規律を犯す。規律が乱れている軍隊で、しかも大将が力不足ならば、戦には絶対に勝てない。

九二 ‥‥‥ ‥―‥ 之卦 二坤爲地
九二。師在中。吉无咎。王三錫命。
○九二。師に在(あ)りて中(ちゆう)す。吉にして咎无し。王三(み)たび命(めい)を錫(たま)う。
 剛中具えた九二は六五のトップから総大将(リーダー)に委任され軍隊(組織)を統括する。よく軍(組織)を率いて戦いに勝ち天下を平定するので、組織(大は国家から小は家庭まで)は安泰である。多少犠牲があったとしても咎められることはない。トップから何度もご褒(ほう)美(び)の言葉を賜(たまわ)るほど尊ばれる。
象曰、師在中、吉、承天寵也。王三錫命、懐萬邦也。
○象に曰く、師に在(あ)りて中(ちゆう)す吉とは、天(てん)寵(ちよう)を承(う)くる也。王三(み)たび命(めい)を錫(たま)うは、萬(ばん)邦(ぽう)を懐(なつ)くる也。
 小象伝は次のように言っている。九二が総大将(リーダー)に委任され、軍隊(組織)を統括し、天下を平定して組織は安泰となるのは、トップに厚く信任されているからである。
 何度もトップからご褒(ほう)美(び)の言葉を賜(たまわ)るほど尊ばれ、戦いに勝って国土を広げ(組織を拡大・強靱化して)、大衆(多くの人々)に喜ばれるからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)志を抱き(心を正しい方向に向けて物事に臨み)、力を尽くして事に中れば、大きな功績を成し遂げられる時である。
○勇気を奮って大事業を起こせば、吉運を招き寄せる。
○大勢の人々を統率して、事業を運用する象(かたち)である。
○終に志を実現して、誰にも負けない氣(エネルギー)に溢れている。
○功績を成し遂げて帰郷する時である。

六三 ‥‥‥ ‥―‥ 之卦 四六地風升
六三。師或輿尸。凶。
○六三。師(いくさ)或(あるい)は尸(しかばね)を輿(の)す。凶。
 六三は柔弱不中正で才能乏しく、卦(か)極(きよく)で妄進して規律を乱す。トップがこのような人物を総大将(リーダー)に任命すれば、兵士(組織の人々)の士気は低下して大敗し、戦死者の屍(しかばね)を車に載せて帰る(組織が崩壊するほどの痛手を負う)ことになる。
象曰、師或輿尸、大无功也。
○象に曰く、師(いくさ)或(あるい)は尸(しかばね)を輿(の)すとは、大いに功无(な)き也。
 小象伝は次のように言っている。トップが六三を総大将(リーダー)に任命すれば、戦(いくさ)に大敗して、戦死者の屍(しかばね)を車に載せて帰る(組織が崩壊するほどの痛手を負う)ことになる。国家(あらゆる組織)の威厳は喪(そう)失(しつ)して天下(組織内)は大いに乱れ、不測の災(さい)厄(やく)を招くのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)志は剛毅だが才能が不足している。何度も反復して、よく考え、妄りに進もうとしないことが肝要である。日常生活に当て嵌めれば、他人の扇動に乗って、自分の才能を過信して事を為そうとすれば、大失敗する。進まず退いて時を待つが宜しい。
○分不相応なことをしてしまう時である。
○蒙昧ゆえ、してはならないことをしないように、自戒すべきである。
○自分の器量を過大評価して、他人を侮(あなど)ってしまう時。