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易経(周易)を読み解く 三十(地水師 全体)

易経(周易)を読み解く

七 地(ち)水(すい)師(し) ‥‥‥坤地 ‥―‥坎水
互卦 二四地雷復  綜卦 八水地比  錯卦 十三天火同人
師、貞。丈人吉无咎。
○師(し)は貞。丈(じよう)人(じん)なれば吉にして咎无し。
 師は多くの人々(大衆)を率(ひき)いて、相手(国家から過程まであらゆる組織)と戦う時である。戦いには正義がなければならぬ。才德高く、尊崇される長老や経験豊富な人物を総大将に得ることができれば、戦いに勝利して多くの人々(大衆)の安寧を守ることができる。多少犠牲があったとしても咎められない。

彖曰、師衆也。貞正也。能以衆正、可以王矣。剛中而應、行險而順。以此毒天下、而民從之。吉又何咎矣。
○彖に曰く、師は衆也。貞は正也。能(よ)く衆を以て正しければ、以て王たる可(べ)し。剛中にして應(おう)じ險を行(おこの)ふて順。此(ここ)を以て天下を毒すれども民之(これ)に從う。吉にして又何の咎あらん。
 彖伝は次のように言っている。師は多くの人々(大衆)。貞は正義。大衆を率いて相手と戦う時は、正義がなければならぬ。正義を掲(かか)げて大衆を率いてこそ、天下に誇れるリーダーである。剛健と中庸の德を兼ね備えた九二の長老や経験豊富な人物が、六五のトップに厚く信任され、険難な戦い(下卦坎)に中り柔順(上卦坤)に対処する。
 天の正しい理法に順って戦いを行うので大衆は帰服するのだ。多少犠牲があったとしても、大衆は九二のリーダーに従う。それゆえ、トップは戦いに勝利して大衆の安寧を守ることができる。どうして咎められようか。

象曰、地中有水師。君子以容民畜衆。
○象に曰く、地中に水有るは師なり。君子以て民を容れ衆を畜(やしな)う。
 小象伝は次のように言っている。地(上卦坤)中に水(下卦坎)が聚(あつま)っているのが師の形である。貴方が君子なら、この形を見習って、大らかな心で大衆を受け容れ、養い育て教え導くのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)この卦が出たら、危険に遭遇して、数多くの困難が立ち塞がる。力づくや誤魔化しで困難から脱しようと悪智恵を企てれば、ますます困難に陥る。正しい道を固く守って、正々堂々と王道を歩むがよい。そのようであれば、困難を脱して志を実現することができる。
○学校の先生が庶民の子どもを沢山集める。あるいは、演説や集会、議会などで沢山の人を集める時。
○優しい心と智恵があるので、庶民に慕われる。権威ある人物。だが、部下の意見よりも、自分の意見を通そうとすれば、事を誤る。ひたすら柔順にして、庶民を包容する寛大な心を保てば、世間の人から称賛されて、庶民の先生としての名誉を得られる。
○先生が発憤して大衆を動かす時。
○大きなリスクが潜んでいる時。
○願望はすぐに実現しない。先ずは厳しい状況に陥るが、やがて願望を実現することが容易になる。
○心配事を解消するために、あえて苦難の道に挑戦する。成功か失敗かは、その人の人生経験や才覚で決まる。
○心身ともに苦労して、生活すらままならなくなる。だが、安易に今の職業や思想を変えてはならない。
○商売や売買では競争が激しくなる。物価は下落する。
○敵が現われるので、必要に迫られて、指揮官を招聘する。
○口先で論争したり、盗難にあったりする。用心すべきである。