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しらす神々 その八

農業普及の取り組み

「すさ」の神は、農業を普及するためには、一年中農産物に水を与えられる環境を整備することが大切だと考え、水の神に相談した。水の神は「島の中を流れている八つの支流を持つ大きな川から農地に水を取り入れることができる。しかし、『なぎ』と『なみ』の神は水
を制御する神を産むことができなかったので、八つの支流を持つ大きな川は、一年の間にたびたび氾濫して、川の周辺にある土地は水浸しになってしまう。だから、川が氾濫しないように治水事業を行うことが必要だ。」と答えた。
そこで、「すさ」の神は、その大きな川が氾濫しないようにするためにはどうしたらよいかと悩みに悩み、色々と工夫して様々な方法を試してみた。しかし、なかなか川の氾濫を治めることはできなかった。
そうこうしているうちに、あっという間に時間が経ち、「すさ」の神は年を重ねて、余命幾ばくもないほど年老いた頃になって、ようやく川の氾濫を治めることに成功した。
その際、川の底からこれまで見たことがないような立派な剣が発見された。「すさ」の神は、このような立派な剣を自分のものにしてはいけないと直感的に思って、天上に居る「あま」の神に献上した。
後にこの「剣」を加えた「鏡、勾玉、剣」が三種の神器と称されるようになり、楽園統合の象徴として、歴代天皇に引き継がれることになる。
おそらく、三種の神器の一つである「剣」の霊力により治水事業が成功したと思われる。
お陰で毎年のように氾濫して周辺の土地を水浸しにしていた暴れ川が全く氾濫しなくなった。「すさ」の神は、「なぎ」と「なみ」の神が挫折した「水を制御する」ことを成し遂げたのである。
長い期間苦労して「すさ」の神は人間たちが、毎日、明るく元氣に暮らせることの前提条件となる田圃を開墾する前段階の基盤整備を成し遂げた。以下省略。