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時の物語 周易六十四卦 校正 24

四十一.損して得する時

 国家に例えれば、一時は国民が損して政府が得するが、最後は国民も得する時。会社に例えれば、一時は社員が損して役員が得するが、最後は社員も得する時。家庭に例えれば、一時は子供が損して親が得するが、最後は子供も得する時。組織には上と下がある。上が厳しい時は下が頑張る。下が頑張れば上は喜ぶ。結果的に上も下も良くなるのが「損して得する時」である。この時が成り立つには、上は下のことを思いやり下は上のことに感謝する関係でなければならない。そうでなければ、下は一方的に損するだけになる。

 「損して得する時」の主人公は、国を信じて増税を受け入れたのに、国に裏切られて生活が厳しくなった「あなた(わたし)」である。

 わたしは平成十年生まれの平凡な女子。何となく生きている。社会のことはよく分からないし、政治のことなんて考えたこともない。まぁ、これまで何とかやってこれたし、これからも何とかなるだろう。毎日仕事をして給料をいただき、普通に生きていけば人並みに幸せになれる。学校で日本は昔戦争をしたって習ったけど、わたしが生まれた時にはそんな面影は全くなく、普通の国としてみんな普通にやっている。難しいことは国に任せて、わたしたちは何も考えずに普通に生きていけばなんとかなる。そんな風にこれまで生きてきた。今の仕事は好きでも嫌いでもない。普通に生きていくために毎日真面目に仕事をしている。会社の人間関係も悪くなく、三つ年上の先輩と付き合ってそろそろ二年になる。先日、先輩からプロポーズされて、今どうしたらよいか迷っている。結婚してもよいかなぁと思っているが、まだ、踏ん切りがつかない。彼もわたしと同じで普通に生きていけば人並みに幸せになれると信じている。二人とも自分のことで精一杯、社会のことはどうでもよい。育ててくれた両親に感謝している。でも、親孝行しようとは思わない。
 彼もわたしも、結婚しても両親と同居するつもりはない。彼は次男なので長男が両親の面倒を見てくれる。今は昔と違って誰も結婚適齢期など気にしない。みんな自由に生きている。早く結婚して子供ができれば自分のやりたいことができなくなる。誰も結婚を急がない。わたしは子供が好きなので早く結婚して子供を産みたい。彼も子供が好きなのでこの際結婚しようかなと思い始めている。昨日彼と食事したので自分の思いを話した。彼も同じ思いなので結婚する決意をした。会社に届けを出すだけで結婚式は挙げない。
 結婚を決めたので、アパートを探しに行った。わたしは子供ができたら会社を辞めるつもりなので、不動産屋さんに頼んで彼の給料でやっていける範囲のアパートを回った。地方都市なので手頃な家賃のアパートはけっこうあり、彼とわたしが気に入ったアパートに決めた。それにしても、日本の物価は安い。外食してもわたしが学校に通っていた頃と値段が変わらない。家賃も昔と変わらない。お給料も上がらない。何とか生活できるが贅沢はできない。子供ができるまでは共稼ぎなので余裕がある。子供ができれば彼の給料だけでやりくりしなければならないので、今のうちから節約することにした。少しでも貯金して将来に備えよう。彼は優しい人なので結婚生活は楽しく幸せを感じている。以下省略。