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人生に役立つ易経 火地晋

 また、火地晋には「進む」と云う意味がある。
 六十四卦の中に「進む」と云う意味があるのは、次の三つの卦である。
 五三風山漸☴☶ 山頂に聳え立つ木が漸次に伸び進む。
 四六地風升☷☴ 地中に蒔かれた木の種が見る見る伸び進む。
 三五火地晋☲☷ 大地の上に太陽が燦々と照って昇り進む。
 進む勢いは、風山漸は緩やかで、地風升はどんどん進み、火地晋はダイナミックに進む。

 以上が火地晋の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

晉、康侯用錫馬藩庶。晝日三接。
○晉(しん)は、康(こう)侯(こう)用(もつ)て馬を錫(たてまつ)ること藩(はん)庶(しよ)なり。晝(ちゆう)日(じつ)に三(み)たび接す。
 晉は日(離)が地(坤)上に出て、明智・明德(離)で大地(坤)を照らし、大地(坤)はその光と熱を(離)を柔順に受け容れ萬(ばん)物(ぶつ)が生成する時。明德の(無我の境地で下々を思いやる)トップ六五の下、諸(しよ)侯(こう)(地域や部署のリーダー六三)が柔順に国(社会や組織)を治めるので、トップが馬を諸侯(地域や部署のリーダー)に賜り(或いは諸侯が馬をトップに献上して)、諸侯は一日三回もトップを礼(らい)拝(はい)またはトップに拝謁(謁見)するほどまでに出世して、治国平天下(社会や組織が平和に治まる)を実現する。

彖曰、晉、進也。明出地上、順而麗乎大明、柔進而上行。是以康侯錫馬藩庶、晝日三接也。
○彖に曰く、晉は進む也。明地の上に出(い)で、順にして大(たい)明(めい)に麗(つ)き、柔進みて上(のぼ)り行く。是(ここ)を以て康(こう)侯(こう)用(もつ)て馬を錫(たてまつ)ること藩(はん)庶(しよ)にして、晝(ちゆう)日(じつ)に三(み)たび接する也(なり)。
 晉は何事も進み行く時。明るい太陽(明智と明德を具えたトップやリーダー)が地上に出て(社会に現れて)、大地(臣民・部下や民衆)は明智と明德(智恵と思いやりの心)を備えた太陽(トップやリーダー)に柔順に従っている。すなわち、柔順な六五が君(くん)位(い)(トップ)に上(のぼ)り詰(つ)めた(風地観の六四が上り進んで火地晋の六五のトップに就任した「朱子の周易本義」)時である。
 それゆえ、君(くん)臣(しん)(上司と部下)が一体となって、トップが馬を諸(しよ)侯(こう)に(地域や部署のリーダー)賜(たまわ)り(或いは諸侯が馬をトップに献上して)、諸侯(地域や部署のリーダー)は一日三回もトップを礼(らい)拝(はい)またはトップに拝謁(謁見)するほどまでに出世して、治国平天下(社会や組織が平和に治まる)を実現するのである。以下省略。