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四季と易経 その二十一

弥生(やよい)と卯(う)月(づき)に中る区分

 如月と弥生にまたがる陰陽消長卦と十二支、二十四節氣の順序で整理してみる。

弥生(やよい)(和風月明)

【新暦三月一日から三十一日】
 「やよい」はイヤオヒ=草木が茂るという意味の言葉が変化したもの。(井上象英著「365日、暮らしのこよみ」Gakkenn、以下「暮らしのこよみ」と省略する)

卯(う)月(づき)(和風月明)

【新暦四月一日から三十日】
 4月は、白く可憐に咲く卯の花が満開になる次期で、「卯の花月」が略されて「卯月」と呼ばれるようになった。(「暮らしのこよみ」)

雷天大壮(易経・陰陽消長卦)

【新暦三月二十二日から四月十八日ころまで】

 次に易経の「地天泰」の全体像を表す言葉(卦辞・彖辞、彖伝、大象伝)を示す。これらの言葉は【三月二十二日ころから四月十八日ころまで】に当て嵌まる。

《卦辞・彖辞》
大壯、利貞。
○大(たい)壯(そう)は、貞(ただ)しきに利(よろ)し。
 大壮は陽(君子・盛運・善)の勢いが陰(小人・衰運・悪)を駆(く)逐(ちく)して益々盛んになる時である。盛運中の盛運の時であるが、調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)と大失敗を招き寄せる。調子に乗ってやり過ぎないように自分の言行を抑制して、常に正しい道(道德)を固く守るが宜しい。

《彖伝》
彖曰、大壯、大者壯也。剛以動、故壯。大壯利貞、大者正也。正大而天地情可見矣。
○彖に曰く、大壯とは、大なる者壯(さかん)なる也。剛にして以(もつ)て動く、故に壯(さかん)なり。大壯は貞(ただ)しきに利(よろ)しとは、大なる者正しき也(なり)。正(せい)大(だい)にして天地の情見る可(べ)し。
 彖伝は次のように言っている。大壮は大なる者(陽=君子・盛運・善)の勢いが、大いに盛んになる時である。「大という字は一と人から成る。一は天を意味し、天と人を重ねて人が天道を歩む意味になる(高島易断)」。すなわち大壮は、天の道を歩む君子(盛運・善)の勢いが大いに盛んになる時である。剛健(乾)にして動く(震)から陽(君子・盛運・善)の勢いが盛んになるのである。大壮は君子(陽・善)の勢いが小人(陰・悪)を駆(く)逐(ちく)して益々盛んになる時である。調子に乗ってやり過ぎる(傲(ごう)慢(まん)になったり強(ごう)引(いん)すぎたりする)と大失敗を招くので、常に正しい道(道德)を固く守るが宜しい。大なる者は正しい道(道德)を堂々と歩むのである。君子は正しく天の道(道德による継続)を歩み、天地の道理(永遠なる天地宇宙と生々化育する萬物の生命)をしみじみ悟(さと)るのである。

《大象伝》
象曰、雷在天上大壯。君子以非禮弗履。
○象に曰く、雷(かみなり)、天の上に在(あ)るは大壯なり。君子以て禮(れい)に非(あら)ざれば履(ふ)まず。
 大象伝は次のように言っている。雷(震)が天(乾)の上に在るのが大壮の形である。天の道(道德による継続)を歩む君子の勢いが益々盛んになる形である。
 君子はこの形に見習って、調子に乗ってやり過ぎないように自分の言行を抑制して、礼(調和)を乱すことにつながる考え方や行動は一切しないように己を慎むのである。

卯(う)(十(じゆう)二(に)支(し))

 陰陽消長卦の「雷天大壮」に当て嵌まる十二支は「卯」である。
 「さかん」に通じ、万物の成長が盛んになっていく状態を意味する。(陰陽五行)
 茅(かや)薄(すすき)等の茂みを表す。万物が茂る意味である。(「干支の智恵」)

春分(二十四節氣の四節氣)

【新暦三月五日ころから四月三日ころまで】
 「啓蟄」の次の二十四節氣は「春分」である。
 太陽が真東から昇り真西に沈むため、昼と夜の長さが同じになる春分。(中略)春の彼岸は、春分の日を中日に前後三日を含めた七日間(絵で楽しむ)。