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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 水沢節 一

2022年9月6日

六十 水沢節 ・|・ ・||

節、亨。苦節不可貞。
□節(せつ)は亨(とお)る。苦(く)節(せつ)は貞(てい)にす可(べ)からず。
 節は沢(兌)の上に水(坎)が満ちて、程よい節度を保ちながら、険(けん)難(なん)(坎)に悦(よろこ)んで(兌)順う。すらっと通る。節度は程よく保つからよい。苦節(度を超えた節度)を守り続けることはできない。
彖曰、節亨、剛柔分而剛得中。苦節不可貞、其道窮也。説以行險、當位以節、中正以通。天地節而四時成。節以制度、不傷財、不害民。
□節(せつ)は亨(とお)るとは、剛(ごう)柔(じゆう)分れて、剛(ごう)中(ちゆう)を得れば也。苦節は貞にす可(べ)からずとは其(その)道(みち)窮(きわ)まる也。説(よろこ)びて以て険(けん)を行ひ、位に当(あた)りて以て節し、中正にして以て通ず。天地節(せつ)ありて四(しい)時(じ)成る。節(せつ)以(もつ)て度を制し財(ざい)を傷(そこな)はず、民(たみ)を害(そこな)はず。
 節(せつ)は程よい節度を保ちながら、険阻艱難(坎)に悦んで順う(兌)。すらっと通る。剛柔均等に分かれて、九五が剛健中正の德を得ている。
 節度は程よく保つからよい。苦節を守り続けることはできない。度を越えた節度(苦節)は、道に窮して行き詰まる。険(けん)阻(そ)艱(かん)難(なん)に悦(よろこ)んで順い、九五が君位に相応しく、程よい節度を保ち、中庸と正義の德を備えて事を行う。
 天地は程よい節度で季節を運行し万(ばん)物(ぶつ)は生(せい)成(せい)化(か)育(いく)する。天子も程よい節度で法律や規則を制定し、財政を窮(きゆう)乏(ぼう)させることなく、貧(ひん)苦(く)艱(かん)難(なん)から民(たみ)を守る。
象曰、澤上有水、節。君子以制數度、議德行。
□沢の上に水有るは節(せつ)なり。君子以(もつ)て数(すう)度(ど)を制し、德(とつ)行(こう)を議(ぎ)す。
 沢(兌)の上に水(坎)が有るのが節の形。君子は、貴(き)賤(せん)上下の身分に応じて、生活の規律を定め、貴賤上下の身分に相応(ふさわ)しい德行の基準を推し量って、程よい節度を保つ社会を築く。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)天人ノ道德符節ヲ合スルガ如ク、臣民ニ在リテハ忠節ヲ以テシ、顯貴ニ在リテハ節制ヲ以テシ、人ニ交ルニハ節義ヲ以テスベシ、又財務ニ於テハ、尤モ節儉ヲ・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)天と人が道徳を合致するように、臣民は天子に忠実に順い節度を保つべき時。人々が交際・交流する際には、義理と節度を保つべき時。
○財務においては、節約すればよいと云うものではない。吝(りん)嗇(しよく)(ケチ)と云われないようにすべきである。水沢節の「節」とは、「程良い」と云うこと。節約し過ぎは駄目である。
○立法に携わる役人(今の国会議員)は、節度を保ち、道德的に行動し、してはならない事を禁じ、正しい法律を立案し、礼節を大切にする時。それゆえ、民は節操を守るようになる。
○困難に喜んで対処できる節操のある人物が求められる時。
○節度を保つことを宜しいとする時(苦節は宜しからず)。
○その状況の中で「程良い」節度を保つことが大切な時。
○節約するに中っても「程良い」節度を保つべき時。
○困難な状況に陥ってもドンと構えて時を待つべき時。
○忍耐強いことが求められる時である。
○節度を守れない場合は(度を失えば)、困難な状況に陥る。
○物事には限界・限度があることを悟って止まるべき時。
○道德的な行動をテーマにして、自分が率先垂範する時。
○誹謗中傷に晒(さら)される。
○進み行けば困難な状況に陥る。節度を守って止まるべき時。
○商売に中っては、時の宜しき(時節)を待つべき時。
○物価は低い(今で云えばデフレ)。