米国の中間選挙はどうなる 略筮法
共和党が勝つか 民主党が勝つか トランプはどうなる
天地否 三爻
白倉周易研究所 白倉の占断
本卦 十二 天地否 |||・・・ 三爻
之卦 三三 天山遯 ||||・・
互卦 五三 風山漸 ||・|・・
概要
天地否は陰陽消長の流れでは衰運の真ん中で閉塞逼迫する時であるから、わたしが支持する共和党をそのまま天地否に当て嵌めれば「共和党は衰運の真ん中で、閉塞逼迫して、二進も三進も行かないので中間選挙に敗れる」となる。だが、今の米国の政治状況を観ると「衰運の真ん真ん中で、閉塞逼迫して、二進も三進も行かない」状況に陥っているのは民主党である。
天地否の時を共和党と見るか民主党と見るかで反対の占断となる。さて、どうしたものか。
天地否三爻の之卦は天山遯である。天山遯は小人の勢い盛んで君子は立ち向かってはならない時、安全なところに非難すべき時である。小人を民主党、君子を共和党と見立てると、やはり、共和党は小人の謀略に追い詰められて中間選挙に敗れると云う占断となる。今の米局の政治状況からは共和党が敗れるとは思えないが、共和党のトランプが民主党のバイデンに敗れた大統領選の時のように、共和党を勝たせないための謀略が行われるのかもしれない。
天地否の互卦は風山漸である。衰運の真ん中で、閉塞逼迫して、二進も三進も行かない天地否の枠組みを取り去って内容を掘り下げると、漸次に着実に前に進んでいく風山漸の時となる。
すなわち、共和党を勝たせないための謀略が実行されなければ、堅実に共和党が中間選挙に勝つと云うことになる。
詳細
色々考えた結果、共和党を天地否三爻に当て嵌めて読み解くことにする。
天地否の彖伝には「彖に曰く、之(これ)を否(ふさ)ぐは人に匪(あら)ず、君子の貞に利しからず、大往(ゆ)き小來(きた)るとは、則(すなわ)ち是(こ)れ天地交わらずして萬(ばん)物(ぶつ)通ぜざる也。上下交わらずして天下に邦(くに)无(な)き也。内は陰にして外は陽、内は柔にして外は剛、内は小人にして外は君子。小人の道長(ちよう)じ、君子の道消(しよう)する也。彖伝は次のように言っている。否は天地陰陽(上下君臣・上司と部下・夫婦・親子等あらゆる関係)交わることなく閉(へい)塞(そく)する時である。天地の氣が交わらない(陰陽結合による創造活動が行われない)ので萬(ばん)物(ぶつ)は生成化(か)育(いく)しないのである。上下君臣(政府と民衆・上司と部下・親と子)の意志が疎(そ)通(つう)しないので国家(を始めとするあらゆる組織)の体(てい)を成さない。内側(下卦)の陰氣が徐々に盛んになり、外側(上卦)の陽氣は徐々に衰退する。内面(下卦)は柔弱なのに外面(上卦)は剛健を装っている。小人が要職を独占して君子は閑(かん)職(しよく)に追いやられる。小人が跋(ばつ)扈(こ)して、君子の道は消滅する。」とある。この文章は今の米国が二つに分断されていることを示している。マネー主義によるグローバル化が行き過ぎた結果、米国は中国経済に依存するようになり、これではいけない、健全なナショナリズム(アメリカファースト)を取り戻さなくてはならないと主張して登場したのがトランプ大統領である。只管マネーを追求するマネー主義が小人ならば、健全なナショナリズムを取り戻そうとするトランプ共和党は君子である。ところが、天地否の時は「小人の道長(ちよう)じ、君子の道消(しよう)する也」であるから、やはり、大統領選の時のように、共和党を勝たせないための謀略が行われて、共和党が敗れると読み解くべきなのか。
天地否三爻の爻辞には「六三。羞(はじ)を包(つつ)む。六三は才德乏しく悪の道を妄進する非(ひ)道(どう)の小人。世の中が乱れ崩壊に向っていく否中の否は去ったが、悪の道に耽溺して、いつも心の中で悪事を企んでいる。否の時の今は威勢がよくても、泰の時が到来すれば追放されるしかない。六三にできることは自分の不善を恥じて悪事を蔽(おお)い隠すことしかない。」とある。
また、小象伝には「象に曰く、羞を包むとは、位當らざれば也。小象伝は次のように言っている。六三にできることは自分の不善を恥じて悪事を蔽(おお)い隠すことしかない。才德乏しく妄進する非(ひ)道(どう)の小人(陰柔不中正)六三は、泰の時が到来したら就くべき地位がないのである。」とある。
これは、共和党の内部に民主党のスパイが入り込んでいて、共和党を攪乱すると云うことではないだろうか。このスパイを早い時期に発見して追放すれば、共和党敗北を企む謀略者のシナリオが狂ってくる。すなわち、天地否の三爻が変じて風山漸の二爻となるのだ。
風山漸の卦辞・彖辞には「漸(ぜん)は、女(じよ)歸(とつ)ぎて吉。貞しきに利し。漸は漸次に(少しずつ)進んで行く時。どっしりと止まっている山(艮)の地中に、樹木(巽)がしっかりと根を張って風が吹いても揺るぐことなく、すっくと聳え立っている。内外の環境に巽(そん)順(じゆん)に適合して着実に成長するのである。漸は少男(艮)が長女(巽)に謙って、礼の順序に従って求婚し、長女が応じてお嫁に行くように、漸次に(少しずつ)着実に前進する。それゆえ幸運を招き寄せる。正しい(少しずつ進んで行く)道を固く守って漸進する(少しずつ進む)ことが肝要である。」とある。
「どっしりと止まっている山(艮)の地中に、樹木(巽)がしっかりと根を張って風が吹いても揺るぐことなく、すっくと聳え立っている。」とは、トランプと共和党支持者のことであろう。「正しい(少しずつ進んで行く)道を固く守って漸進する(少しずつ進む)ことが肝要である。」とは、トランプが再び大統領の座に返り咲くためには、焦ってはならない。じっくりと国民の支持を広げていくことが求められると云うことであろう。
また、二爻の爻辞に「六二。鴻(こう)、磐(おおいし)に漸(すす)む。飲食、衎(かん)衎(かん)たり。吉。柔順にして中庸の德を具えている六二の賢人は九五の天子(トップ)と応じている。大きな雁(かり)(鴻(こう))が水際から大きな岩まで漸次に(少しずつ)進んで来た。ゆったりと進んで来たので大きな岩の上で心安らかに佇んでいる。やるべきことをやったので、飲食して、和らぎ楽しんでいる。以上のようであるから、幸運を招き寄せる。」とある。すなわち、共和党の内部に潜んでいる民主党のスパイを早い時期に発見して追放すれば、中間選挙に共和党が勝利して、次の大統領選にはトランプが返り咲くと云うシナリオが固まるのである。