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易経 繋辞下伝を読み解く 第十二章 三

是故愛惡相攻而吉凶生。遠近相取而悔吝生。情偽相感而利害生。凡易之情。近而不相得。則凶。或害之。悔且吝。
○八卦は象を以て告げ、爻(こう)彖(たん)は情を以て言う。剛柔雜わり居(お)りて、吉凶を見る可し。変動は利を以て言い、吉凶は情を以て遷(うつ)る。是の故に、愛(あい)悪(お)相い攻めて、吉凶生じ、遠近相い取りて、悔吝生じ、情偽相い感じて、利害生ず。凡そ易の情、近くして而して相い得ざれば、則ち凶、或いは之を害し、悔い且つ吝なり。
 陰陽を現す三つの爻から成る八卦は、その形によって、それが有している様々な性質や自然配当を示しており、八卦が発展した六十四卦を構成している六つの爻は、その段階における時の物語(その時々の状態)を示している。
 六十四卦は、陰陽の陽を現す剛爻と陰を現す柔爻が様々な形で交わっており、位の正不正(奇数位には剛爻が偶数位には柔爻が在る場合を正とする)や卑賤(上下関係)、或いは応比(爻と爻との相互関係)などによって吉凶が示されている。易を読む者はそのことをよく観察すべきである。
 易の書には、六十四類型の大きな物語と三百八十四類型の小さな物語が一定の法則に従いながら自由自在に変化する様が描かれている。利益は正義を積み上げた結果として得られるものであり、吉凶禍福は正邪を積み上げた結果として一時的に現れる状態を示している。
 それゆえ、上卦と下卦あるいは六爻全体における陰陽の交わり具合によって吉凶が生じ、爻と爻との相互関係(応比)が織り成す物語によって吉凶へとつながる悔吝が生ずる。そこに、正邪を加味して利害が発生するのである。
 すなわち易の書が描いている変化の法則は、陰陽が反発し合って交わることなく、応比すべき相手との関係がギクシャクしていれば、悪い結果(凶)へと向かう(悔吝)と云うことである。

將叛者其辭慙。中心疑者其辭枝。吉人之辭寡。躁人之辭多。誣善之人其辭游。失其守者其辭屈。
○将(まさ)に叛(そむ)かんとする者は其の辞(ことば)を慙(は)じ、中心疑う者は其の辞(ことば)が枝(わか)れる。吉の人の辞は寡(すくな)く、躁の人の辞は多い。善を誣(し)うる人は其の辞が游(うか)び、其の守りを失う者は其の辞が屈(かが)む。
 今まさに背こうとしている者は、後ろめたさがあるので、発する言葉が恥知らずの誤魔化しである。心の中に疑いを持っている者は、其の発する言葉に迷いがあって一貫性がない。
 人德を磨いて善い結果(吉)の中に在る人は、慎むことを知っているので、発する言葉は少ない。人德を磨くことなく、いつもワサワサしている人は、心が乱れているので、発する言葉が多くなる。善き人を誹謗中傷する心の貧しい人は、その発する言葉がふわふわ漂っている。人として守るべき道(人の道)を踏み外している者は、その発する言葉が屈折している。