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易経 繋辞上伝を読み解く 第六章

2021年3月8日

第六章
夫易廣矣大矣。以言乎遠則不禦。以言乎邇則靜而正。以言乎天地之間則備矣。
〇夫(そ)れ易は広し、大いなり。以て遠きを言えば則ち禦(とど)まらず、以て邇(ちか)きを言えば則ち静かにして正し。以て天地の間を言えば則ち備われり。
 大体において易経の内容は、極めて広範であり、極めて遠大である。
 易経には、高遠なことが滔々と説明されており、止まることを知らない。
 易経には、卑近で日常的なことが、平易に説明されており、人の道を踏み外すことがない(正し)。
 易経には、天地宇宙のあらゆる事象が全て書き尽くされて(備わって)いる。(だから、易経の内容は、極めて広範であり、極めて遠大なのである。)

夫乾其靜也專。其動也直。是以大生焉。夫坤其靜也翕。其動也闢。是以廣生焉。
〇夫れ乾は其の静かなるや専(もつぱ)らにして、其の動くや直(なお)し。是を以て大いに生ず。
夫れ坤は其の静かなるや翕(あ)い、其の動くや闢(ひら)く。是を以て広く生ず。
 そもそも乾の卦は、剛健でどっしりとしており、陽氣が発動しない時は純粋で根源的なエネルギー(氣)として泰然と構えている。
 一たび陽氣が発動すれば、妨げられることなく真っ直ぐに突き進んで行く。それゆえ、萬物を無限に創出するのである。
 そもそも坤の卦は、乾が発した陽氣を受容する存在なので、陽氣を受容する前は、口を閉じてじっと待っている。
 一たび陽氣を受容すれば、乾が発した無形の陽氣から有形の萬物を創造するのである。それゆえ、天地宇宙に無限の萬物が生み出されるのである。

廣大配天地。變通配四時。陰陽之義配日月。易簡之善配至德。
〇広大は天地に配し、変通は四時に配し、陰陽の義は日月に配し、易簡の善は至徳に配す。
 易経に書いてある内容が広大なのは、天地宇宙のあらゆる事象を網羅しているからである。
 易経に書いてある陰陽消長変化の無限の循環は、春夏秋冬四時の変化になぞらえることができる。
 易経に書いてある陰陽消長変化の原理は、昼夜日月の循環になぞらえることができる。
 易経に書いてある易簡の真理(善)は、天地の道(生成発展と生々化成)が人を得て、至上の「徳(道徳)」が生み出されたのである。