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易経 繋辞下伝を読み解く 第十一章

十一章

易之興也。其當殷之末世周之盛德邪。當文王與紂之事邪。是故其辞危。
○易の興るや、其れ殷の末世・周の盛徳に当たるか。文王と紂との事に当たるか。是(こ)の故に其の辞危うし。
(易の原型、すなわち八卦と六十四卦を生み出したのは、今から遙かに昔、凡そ五千年ほど前の古代支那の伝説上の帝王神伏羲であるが、)易に言葉がかけられたのは、今から凡そ三千年ほど前の古代支那における殷王朝の末期のことである。殷王朝最後の帝王・紂王の悪政によって諸国の人心が離れ、德政で名高い周の文王に人心が集まった頃のことであろうか。そのような時代背景ゆえ、易の本文には戒めの言葉や険難な物語が多いのである。

危者使平。易者使傾。其道甚大。百物不廢。懼以終始。其要无咎。此之謂易之道也。
○危うしとする者は平らかならしめ、易(やす)しとする者は傾かしむ。其の道甚(はなは)だ大にして、百(ひやく)物(ぶつ)廃(すた)れず。懼れて以て終始し、其の要(よう)、咎无し。此れをこれ易の道と謂うなり。
 何事も今の状況に安んずることなく、危機感を持って臨む指導者は、組織を安寧に保つことができる。今の状況に安んじて、何の危機感も持たずに事に当たる指導者は、組織を危機的状況に陥らせるものである。
 「危うしとする者は平らかならしめ、易(やす)しとする者は傾かしむ」と云う言葉(法則)は、実に普遍的なものであって、あらゆる事象がこの法則に従えば、その存在を全うすることができる。何事にも終始一貫、懼れ慎み対処して、危機感を持って臨む指導者は、咎められるような過失は犯さない。
 以上は、易の書が説く、不易の法則である。