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易経 繋辞下伝を読み解く 第二章

古者包犠氏之王天下也。仰則觀象於天。俯則觀法於地。觀鳥獸之文。與地之宜。近取諸身。遠取諸物。於是始作八卦。以通神明之德。以類萬物之情。
○古者(いにしえ)包(ほう)犠(ぎ)氏の天下に王たるや、仰(あお)いでは象を天に観(み)、俯(ふ)しては法を地に観、鳥獣の文(ぶん)と地の宜(ぎ)を観、近くは諸(これ)を身に取り、遠くは諸(これ)を物に取る。是(ここ)に於(お)いて始めて八卦を作り、以て神(しん)明(めい)の徳を通じ、以て万物の情を類す。
 大昔(四~五千年前)、伝説上の帝王神・伏(ふつ)羲(き)が天下を治めていた時に、大地から天を仰いでは、日月星辰の姿を観察し、高所から俯(ふ)瞰(かん)して大地を眺めては、地上に存在する山川草木の姿を観察した。詳しくは地上に生息する鳥獣の種類、大地に聳(そび)え立つ草木の状態などを観察して、近くは自分の身体の部分から、遠くは天地萬物の姿を象(かたど)って八卦の象(||| ・|| |・| ・・| ||・ ・|・ |・・ ・・・)を創造し、この八卦によって天地自然の神秘で霊妙な働きが明らかになり、萬物の状態を類別したのである。

作結繩而爲罔罟。以佃以漁。蓋取諸離。包犠氏沒。神農氏作。斲木爲耜。揉木爲耒。耒耨之利。以教天下。蓋取諸益。
○縄(なわ)を結んで作(な)して罔(もう)罟(こ)を為(な)し、以て佃(かり)し以て漁(すなど)るは、蓋(けだ)しこれを離(り)に取る。包(ほう)犠(ぎ)氏没して、神(しん)農(のう)氏作(おこ)る。木を斲(けず)りて耜(し)と為し、木を揉(たわ)めて耒(らい)と為し、耒(らい)耨(どう)の利(り)、もって天下に教うるは、蓋(けだ)しこれを益(えき)に取る。
 伝説上の帝王神・伏(ふつ)羲(き)氏は、縄(なわ)を結び合わせて網(あみ)を作り、それを用いて狩りや漁をすることを教えた。網の形は「離」の卦象に似ており、「離」には麗(つ)く(獲物が網に引っかかる)という性質がある。帝王神・伏(ふつ)羲(き)氏が没した後、神(しん)農(のう)氏が帝王となって農業を司った。神農は木を加工して鋤(すき)などの農機具を製作して、農業を天下萬民に振興したのである。これは上を減らして下を益するという風雷益の卦象を参考にしたものと思われる。