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易経(周易)を読み解く 七九(山地剝 初二三)

易経(周易)を読み解く

初六 ―‥‥ ‥‥‥ (山地剝)之卦 二七山雷頤
初六。剝牀以足。蔑貞。凶。
○初六。牀(しよう)を剝(はく)するに足を以(もつ)てす。貞を蔑(ほろ)ぼす。凶。
 初六は小人が君子を剝落する時の最下(上爻は人の骨、五爻は人の肉、四爻は人の皮膚、三爻は人を載せている寝台、二爻は寝台の脚の上、初爻は寝台の脚の下)に居て、組織の脚(きやつ)下(か)(寝台の脚の下、組織の最下)に潜(もぐ)り込み、密(ひそ)かに奸(かん)策(さく)(坤為地の初爻に云う「霜を踏みて堅氷至る」の霜を仕掛ける)を謀(はか)る。
 漸(ぜん)次(じ)に正しい道を蔑(ないがし)ろにして(小悪=霜に馴致して)、終(つい)には崩壊(堅氷)に至る。
象曰、剝牀以足、以滅下也。
○象に曰く、牀(しよう)を剝(はく)するに足を以(もつ)てすとは、以(もつ)て下(しも)より滅(めつ)する也。
 小象伝は次のように言っている。初六が組織の脚(きやつ)下(か)(寝台の脚の下、組織の最下)に潜(もぐ)り込み、密(ひそ)かに奸(かん)策(さく)(「霜を踏みて堅氷至る」の霜を仕掛ける)を謀(はか)るのは、陰が陽を下から漸(ぜん)次(じ)に侵(しん)食(しよく)する(霜を踏みて堅氷至る)ように、組織の脚(きやつ)下(か)に潜(もぐ)り込み(「霜を踏みて堅氷至る」の霜を仕掛けて)、君子を剝(はく)落(らく)せんとする(堅氷至る)のである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)いよいよ小人の勢いが漸次に増大する時が来た。早く予防しなければならない。常識に固執して対策を講じなければ、凶運となる。
小人が君子を軽蔑するようになると、君子は破滅していく。(君子は)下から徐々に剥がされて滅亡するのである。
○(君子が)善政を行ったとしても、(小人から)誹謗中傷され、破滅に向かう、という時の流れである。

六二 ―‥‥ ‥‥‥ (山地剝)之卦 四山水蒙
六二。剝牀以辨。蔑貞。凶。
○六二。牀(しよう)を剝(はく)するに辨(べん)を以(もつ)てす。貞を蔑(ほろ)ぼす。凶。
 六二は君子を剝(はく)落(らく)せんとする勢いが漸次に長じて脚の上(辨・人が載っている寝台の脚の上)にまで及ぶ。それでも君子が政治の常識に固(こ)執(しつ)して(今は非常事態の前段階であると云う認識が全くなく)、速(すみ)やかに禍(わざわい)を回避しなければ、漸次に(人が載っている寝台の脚の下から脚の上に、そして、寝台そのものに被害が及び)正しい道が滅(ほろ)んでいき、終(つい)には全てが崩壊(君子が小人に剝落されて組織が瓦解)する。
象曰、剝牀以辨、未有與也。
○象に曰く、牀(しよう)を剝(はく)するに辨(べん)を以てすとは、未(いま)だ與(よ)有(あ)らざる也。
 小象伝は次のように言っている。君子を剝(はく)落(らく)せんとする勢いが漸(ぜん)次(じ)に長じて脚の上(辨・人が載っている寝台の脚の上))にまで及ぶのは、剝落される君子の側に仲間がいない(一陽五陰で誰も一陽を助けてくれない)からである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)危ういことを知らずに、安心して坐っている。危険が迫っている予兆を察して、早く避難すべきである。
○「蒙昧な存在が正しい存在を滅ぼす」と云う凶運の恐ろしさをよくよく知っておくべきである。
○謀反(反社会的行為)には関係しない。

六三 ―‥‥ ‥‥‥ (山地剝)之卦 五二艮爲山
六三。剝之。无咎。
○六三。之(これ)を剝(はく)す。咎(とが)无(な)し。
 衆(しゆう)陰(いん)の小(しよう)人(じん)共(ども)(初六・六二・六四・六五)が徒(と)党(とう)を組んで上九の君子を剝落しようとする時にあって、六三だけは正応である上九の君子に従う(薫陶=人格者の良い影響を受ける)。それゆえ、咎なきことを得る(小人が君子を剝(はく)落(らく)せんとする勢いを弱める)。
象曰、剝之、无咎、失上下也。
○象に曰く、之(これ)を剝(はく)す。咎(とが)无(な)しとは、上下を失えば也。
 小象伝は次のように言っている。六三は正応である上九の君子に従うので、咎なきことを得る(小人が君子を剝(はく)落(らく)せんとする勢いを弱める)。六三は上下の徒党(初六・六二・六四・六五の小人共)に与(くみ)せず上九の君子と志を同じくすることができるからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)心を正しく、行いを篤実にしなければ、思ってもいない災難に遭遇する。
○衆陰が一陽を剥落しようとする時に、六三のみ上九と応じている。自分は小人だが君子が必要なことを知っている。