毎日連載! 易経や易占いに関する情報を毎日アップしています。

易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 2

四.リーダーの資質を学ぶ時     二十五頁    山水蒙 ☶☵
五.ゆったり待てば結果が出る時   二十九頁    水天需 ☵☰
六.内部分裂する時         三十四頁    天水訟 ☰☵

四山(さん)水(すい)蒙(もう) ☶ ☵ 艮上坎下  リーダーの資質を学ぶ時 二十五頁
 山水蒙の時を日本の歴史に当て嵌めれば「明治維新における明治天皇の在り方」がピタッと重なる。明治天皇は若干十六歳の若さでトップの位に就任した。不敬な表現だが、即位したばかりの明治天皇は無知蒙昧なトップであった。しかし、明治天皇は自分よりもずっと格下の志士(元(もと)田(だ)永(なが)孚(ざね)等)を先生と尊崇して素直にその教えに順ったと伝えられている。

五水(すい)天(てん)需(じゆ) ☵ ☰ 坎上乾下  ゆったり待てば結果が出る時 二十九頁
 無知蒙昧な人物がトップの位(五爻)に就いてしまった山水蒙(☶☵)の次には、トップの蒙昧無知が啓けて組織としての体を成すようになった水天需(☵☰)の時が置かれている。水天需は上卦坎の険難な状況の下に、下卦乾の剛健な人々が佇(たたず)んでいる。剛健な人々は前(上)に進んで行き嶮難な状況を克服したいと目論(もくろ)んでいるが、上卦坎の険難な状況がそれを阻(はば)んでいる。上卦坎は険難な性質と共に自然に当て嵌めると水である。すなわち、天上(上卦)に水が浮いている。その水は慈雨である。慈雨は物事の成果である。上卦が険難であり慈雨であるならば無理に前に進んで行っても成果を得られない。

六天(てん)水(すい)訟(しよう) ☰ ☵ 乾上坎下  内部分裂する時 三十四頁
 天水訟は組織内部で争い事が起こる時、内輪揉めする時である。上卦乾(組織上部)は剛健(剛毅で健やか)ゆえ、下卦坎(組織下部)が太刀打ちできないほど強い。下卦坎(組織下部)は困窮しており険しい気持ちで上卦乾(組織上部)に立ち向かおうとするが強敵なので迂闊に動けない。上卦乾(組織上部)は天なので上に在り、下卦坎(組織下部)は水なので下に在る。上と下が離れ離れで一体化できない。以上のような関係を組織内部の争い事、内輪揉めと見る。