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人生に役立つ易経 雷水解

 易経六十四卦の中には様々な困難な卦がある。四大難卦以外に異常事態地火明夷☷☲、閉塞逼迫して二進も三進もいかない天地否☰☷、陰陽消長卦の下限の直前で君子が小人に剝ぎ落とされる山地剝☶☷、同じく陰陽消長卦の衰運盛んとなり君子は隠遁するしかない天山遯☰☶、お互いに背き合う火澤睽☲☱、盛運から大衰運に転じて苦しむ雷火豊☳☲など様々な困難を乗り越えて物事が解決した時に、これから何を為すべきか、どう考えればよいかを教えてくれるのが雷水解の時である。
 困難な時を乗り越えても、問題が完全に解決する事はほとんどない。何か問題が残っているものである。その残った問題に迅速に対応しておかないと、それが要因となって、新しい困難を招き寄せることになりかねない。だから、困難な出来事を乗り越えたとしても安心してはならない。小さな問題がまだ残っているはずである。それを早期に発見して対処することが肝要である。小さな問題も全て解決したならば、大地に包まれるようにゆっったりと時を過ごすがよい。これが雷水解の教えである。
 二六二の法則(どんな組織も二割のがんばる人達、六割のどっち付かずの人達、二割のさぼる人達で構成されている)がある。物事が順調に進んでいる時は二割のがんばる人達が六割のどっち付かずの人達を率いて、二割のさぼる人達がさぼるにさぼれない状態となっている。逆に物事が順調に進まない時は、二割のがんばる人達の力が弱く、二割のさぼる人達に六割のどっち付かずの人達が引きずられる状態となっている。
 二六二の法則から分かることは、困難を乗り越えても、問題を解決しても、組織の中には常に二割のさぼる人達が潜んでいるということである。このさぼる人達を、さぼりたくてもさぼれない環境に置くことが問題を完全に解決することになるのである。
 卦象から見ると、内卦坎☵の困難から、外卦震☳が動いて抜け出した形である。しかし、互体三四五爻の坎☵が、外卦震☳の中に入り込んでいる。すなわち、困難から抜け出したと思っても、実際はまだ困難が潜んでいることを示している。

 以上が雷水解の概要である。以下省略。