毎日連載! 易経や易占いに関する情報を毎日アップしています。

人生に役立つ易経 水澤節

 卦象で見ると、下卦兌☱は「悦ぶ、お喋りする、笑う、乱れる、壊れる」性質があるので、程よい節度を保つことができず、易きに流れてゆるい節度になるので社会や組織が乱れる。乱れた社会の目の前には上卦坎☵の困難が立ち塞がる。その困難を乗り越えるべく二三四爻の互体震☳で思慮不足の自分を反省し、自らを律するべく決断する。程よい節度が長続きすれば、三四五爻の互体艮☶で貞固を守って自らを律し人から尊崇されるようになる。最後は上卦坎☵の哲学者・思想家・宗教家・僧侶・教育家として、自らを律することの大切さを啓蒙する。

 以上が水澤節の概要である。
 ここから先は原文(漢文と書き下し文)を示した上で、初心者でも理解できるように意訳していく。

節、亨。苦節不可貞。
○節は亨る。苦(く)節(せつ)は貞(てい)にす可(べ)からず。
 節は澤(下卦兌)の上に水(上卦坎)が過不足なく満ちて、程よい節度(中庸に「喜怒哀楽の未だ発せざる之を中と謂う。発して皆な節に中る。之を和と謂う」とある。喜怒哀楽の感情の中で、その時々に適切に対処することが調和であり、その調和を「程よい節度」と云う)を保ちながら、険阻艱難(上卦坎)に悦んで順う(下卦兌)ことができる。それゆえ何事も順調に進むのである(節は亨る)。節度は程よい節度(喜怒哀楽の感情の中でその時々に適切に対処する)だから何事も順調に進むのである。
 程よい節度を超えた節度を苦節(喜怒哀楽の感情の中で過度に対処しようとする)と云うが、苦節は無理があるから、固く守り続けることはできないのである。以下省略。