世界の経済はどうなる(脱コロナの可否)略筮法
水地比上爻
白倉周易研究所 白倉の占断
本卦 八 水地比 ・|・・・・ 上爻
之卦 二十 風地観 ||・・・・
互卦 二三 山地剝 |・・・・・
概要
水地比上爻を世界経済に対するコロナの悪影響と見る。本来、水地比は五爻が中心となり全員が一丸となって物事が成就する時だが、上爻の悪影響が五爻に及んで全員が一丸となって物事を成就することができない。すなわち、コロナの悪影響が世界経済に及んで、経済はなかなか成長軌道に乗らないと読み解く。
之卦は風地観である。水地比上爻の悪影響がなくなれば、経済成長に向けての見通しがはっきり見えてくるので、今年(令和四年)は、経済はなかなか成長軌道に乗らないが、コロナが終息していけば、徐々に成長軌道に乗っていくと解釈できる。
互卦は、山地剝である。コロナの悪影響によって、世界経済が失速して大不況に陥り、世界的に大きな打撃を受けて、その後の経済再生までに時間を要すると見立てることができる。
詳細
水地比の卦辞・彖辞には「比は吉。原(げん)筮(ぜい)して、元(げん)永(えい)貞(てい)なれば、咎无し。寧(やす)んぜずして方(あまね)く來(きた)る。後(おく)るる夫(ふ)は凶。比は親しみ助け合い和合する時だから、みんなが共存共栄できる。親しむべき相手を推し量ってよく見極め、察知できない事は、占筮するように人の意見をよく聞くべきである。元(仁)永(恒)貞(正)の德を具えていれば過ちは犯さない。不安を抱く人々が親しむべき相手のところに集まって来て和合する。ぐずぐず遅れて孤立している(和合できない)人は不幸な結果となる。」とある。
水地比五爻を実質的に世界経済を動かしている存在(国際金融資本等)と見立てると、「元(仁)永(恒)貞(正)」の德を具えているとは言い難い。よって、五爻(国際金融資本等)を中心に世界経済が成長軌道に乗っていくことはできない。むしろ、五爻のミスリードによって、世界経済は二極化し、五爻の仲間グローバル企業が一人勝ちして、中小企業が壊滅的な打撃を被(こうむ)ることになる可能性が高い。さらに上爻のコロナの悪影響が重なって、中小企業が淘汰され、グローバル企業に飲み込まれると見立てることができる。
また、水地比の上爻には「上六は柔弱不中でやり過ぎる性格である。九五のトップの上に居て傲慢不遜なので、九五と親しむことができない。卦辞(彖辞)の「後(おく)るる夫(ふ)は凶」とは上六のことである。上六が不幸に陥ったのは、自ら禍(わざわい)を招いたのである。」とある。
上六をコロナの悪影響と見立てる。九五は国際金融資本等である。九五が「元(仁)永(恒)貞(正)」の德を具えていれば、コロナの悪影響を乗り越えて、世界経済を成長軌道に乗せていくこともできるが、そうではないので、コロナの悪影響はグローバル化を推進して、世界経済を乗っ取ろうとする国際金融資本等の悪巧みに利用されて、本来であればコロナ禍を脱して、世界経済を成長軌道に乗せることができるのに、あえて、成長を遅らせて世界中の中小企業を追い詰め、グローバル企業の傘下に組み込むと云う流れが加速すると読み解く。