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易経 繋辞下伝を読み解く 第六章

第六章

子曰。乾坤其易之門邪。乾陽物也。坤陰物也。陰陽合德剛柔有體。以體天地之撰。以通神明之德。其稱名也雜而不越。於稽其類。其衰世之意邪。
○子曰く、乾坤は其れ易の門か。乾は陽(よう)物(ぶつ)也。坤は陰(いん)物(ぶつ)也。陰陽徳を合わせて、剛(ごう)柔(じゆう)体(たい)有り。以て天地の撰(せん)を体(たい)し、以て神(しん)の徳に通ず。其の名を称するや、雑にして而(しか)も超えず。於(ああ)其の類(るい)を稽(かんが)うるに、其れ衰(すい)世(せ)の意か。
 孔子は次のように言っている。
「乾と坤の卦は易の基本原理を示すものであろう」。
「乾はエネルギー(氣)を発する主体である陽氣を具象化したものであり、坤はエネルギー(氣)を受けて萬物を生み出す主体である陰氣を具象化したものである」。
「陽氣と陰氣が相交わって、剛柔合わせ持った性質を有する形のある物が生み出される。それを易の書では、八卦・六十四卦・三百八十四爻として表現しているのだ」。
「これらによって、天地のあらゆる事象が姿を現わし、生生化成して滞ることがない。八卦や六十四卦に付けられた名称は、一見、雑然としており整合性のないように見えるが、天の理を逸脱していない。あぁ六十四卦として示された物語(例え話)は、この世のあらゆる事象は栄枯盛衰を繰り返すことを示しているのであろうか」。

夫易。彰往而察來。而微顯闡幽。開而當名。辨物正言。斷辭則備矣。其稱名也小。其取類也大。其旨遠。其辭文。其言曲而中。其事肆而隱。因貳以濟民行。以明失得之報。
○夫れ易は、往を彰(あき)らかにして来を察す。而して顕(けん)を微(び)にして幽を闡(ひら)き、開きて名に当たり物を弁じ、言を正しくし辞を断ずるは、則ち備われり。其の名を称するや小に、其の類を取るや大なり。其の旨は遠く、其の辞は文(かざ)る。其の言は曲(つぶさ)にして而も中り、其の事は肆(つらな)りて而も隠る。貮(うたが)いに因りて以て民の行いを済(すく)い、以て失得の報を明らかにす。
 易の書は、過去の事象や既に起こってしまた事象を解明すると共に、将来起こりうる事象や起こると予測される事象を察して提示している。
 誰の目にも明らかな事象を微に入り細に入り解明して、目に見える事象の裏側に隠れている真理を八卦・六十四卦・三百八十四爻を用いて提示している。八卦・六十四卦・三百八十四爻が提示している真理は、この世(宇宙)で起こり得るあらゆる事象とぴたりと一致しており、物事が循環することを分り易く提示している。また、言葉を正確に用いて様々な事象を物語(例え話)として提示してくれる。すなわち易の書は、この世で起こり得るあらゆる事象を解明しているのである。易の卦名から連想できるイメージは大きなものではない(小さい)が、そのイメージを推し広めていけば限りなく大きなシナリオとなる。
 易の書が提示していることは、誠に遠大であり、係けられている言葉は誠に麗(うるわ)しい。その言葉は変幻自在でその時々に適中しており、その事象は具体的且つ幽玄である。
 民が迷っている時には易が提示するシナリオに順って民が進むべき方向を示し、吉凶悔吝で提示される因果応報の法則を教え諭して民を幸せに導くのである。