毎日連載! 易経を中心に日本の心に関する情報を毎日アップしています。

易経(周易)を読み解く 百五五(澤火革 全体)

四九 澤(たく)火(か)革(かく) ‥――兌澤 ―‥―離火
互卦 四四天風姤  綜卦 五十火風鼎  錯卦 四山水蒙
革、己日乃孚。元亨利貞。悔亡。
○革は己(つちのと)の日乃(すなわ)ち孚(まこと)あり。元(おおい)に亨(とお)る、貞(ただ)しきに利(よろ)し。悔(くい)亡(ほろ)ぶ。
 革は己(つちのと)の日。己(つちのと)は十干(甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き))の六番目、組織の発展段階の半ばを過ぎている。すなわち、組織を変革する時に近付いている。幾が至れば大きな変革を為し遂げる時である。変革の必要性は、組織を運営している今の体制が綻(ほころ)び、今の体制が組織を動かしていることの弊害が目につくようにならないと認識されない。
 適切な時期に変革を断行するから民衆に支持される。民衆に支持されるから大きな変革を為し遂げられるのである。正しい(適切な時期に変革を断行する)道を固く守れば、平常時なら後悔すべきことも、変革時なら許される。

彖曰、革、水火相息、二女同居、其志不相得曰革。己日乃孚、革而信之。文明以説、大亨以正。革而當、其悔乃亡。天地革而四時成、湯武革命、順乎天而應乎人。革之時、大矣哉。
○彖に曰く、革は水(すい)火(か)相(あい)息(ほろ)ぼし、二女同じく居(お)り、其(その)志、相得ざるを革と曰(い)う。己(つちのと)の日乃(すなわ)ち孚あり、革(あらた)めて之を信ず。文明にして以て説(よろこ)び、大いに亨りて以て正し。革めて當(あた)り、其(その)悔(くい)乃(すなわ)ち亡ぶ。天地革まりて四(しい)時(じ)成り、湯(とう)武(ぶ)、命(めい)を革(あらた)め、天に順(したが)ひて人に應(おう)ず。革の時は大(だい)なる哉(かな)。
 彖伝は次のように言っている。革は火(下卦離)を熱して澤の水(上卦兌)を沸騰させ、澤の水が溢れて火が消える象。水(すい)火(か)相(あい)滅(ほろ)ぼす形である。二階に少女(上卦兌)と一階に中女(下卦離)が同居している(同じ組織に属している)が、志を異にして争っている。このような状態は革(あらた)めなければならないので革と名付けたのである。変革の必要性は、今の体制が綻び、今の体制が組織を動かしていることの弊害が目につくようにならないと認識されない。適切な時期に変革を実行するから民衆に支持される。民衆は今の体制が行き詰まり、その弊害に耐えられなくなって初めて変革の必要性を身に沁みて感じる。
 文明が発展して(下卦離)、民衆が和らぎ悦ぶ(上卦兌)から、大きな変革を為し遂げられる。正しい(適切な時期に変革を断行する)道を固く守ったからである。今の体制を革(あらた)めて、様々な弊害を根底から除き去るので、平常時なら後悔すべきことも、許されるのである。天地は陰陽消長循環して時が革まり季節(春夏秋冬)は変化する。人類の生成発展は殷(いん)の湯(とう)王(おう)や周の武(ぶ)王(おう)の革命のように、天命に順い、民の心に応じて行われる。時の宜しきに中る革の時は何と偉大であろうか。

象曰、澤中有火革。君子以治歴明時。
○象に曰く、澤(さわ)の中に火有るは革なり。君子以て歴(こよみ)を治(おさ)め時を明かにす。
 大象伝は次のように言っている。澤(上卦兌)の中(下)に火(下卦離)が有り、お互いに滅ぼし合っているのが革の形である。君子は水(すい)火(か)相(あい)滅(ほろ)ぼす革の形に見習って、時の変化に順応した行動計画を暦(中長期の計画)に表して、政治や政策の実施計画(短期の計画)を民衆に明示するのである。(或いは、正しい暦を制定し、春夏秋冬の変化を明らかにして、農業に基づく経済活動を支援するのである。)

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)旧来の制度や在り方を捨て去って、刷新する時。因循姑息なやり方に安んずることなく、断固として変革すべきである。
旧来の制度や在り方を刷新するべく、内面と外面を改めるべきである。
○改革の時。 ○変革の時。 ○旧来の制度や物事を刷新する時。
○調和しない・できない時。 ○争い合う時。
○勝負をすれば、自分が相手に勝つ。
○とっさの智恵(機知)と雄弁によって、人の心を動かし、大変革を成し遂げる時。
○遅くなったり疑ったりすると災難を招き寄せる時。
○始めは、艱難辛苦する。世の中は衰退して位を失う。その後は、位を得て運氣が昇り始め、やがて盛運となる予兆が現れる。
○事業を刷新する・場所を改めるなど、万事改めることによって吉運を招き寄せる。
○改革を成し遂げ、万事刷新すれば、後悔は全て消滅する。
○事業を企画するに中っては、人物を見極める必要がある。
○火に関する何かで金に関する何かを焼いてしまう時。
○風炉(茶道で茶釜を火にかけて湯を沸かすための炉)の形。初爻は炉の底、二爻は炉の眼(まなこ)、三・四爻は炉の腰、上爻は炉の口。
○軍隊が革命を起こす(すなわちクーデターを起こす)時である。
○商売(売買活動)が、ひっくり返って吉運を招き寄せる。
○物価は今は上昇して、その後下落する。