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易経(周易)を読み解く 百八六(風水渙 初二三)

初六 ――‥ ‥―‥ (風水渙) 之卦 六一風澤中孚

初六。用拯馬壯。吉。
○初六。用(もつ)て拯(すく)うに馬(うま)壯(さか)んなり。吉。
 物事や体制が離散する渙の時の始めに居て、離散の試練に苦しんで(下卦坎)いる。初六は柔弱不正(陰爻陽位)で位卑しく力不足だから、自分の力では離散の困難を救うことはできない。そこで、馬のように精力盛んな九二の力を借りる。九二は剛健にして中庸の德を具えており、初六と比している。初六と九二が協力して離散の困難に立ち向かえば、終には(九五の段階で九五の天子が発する大号令に従って)離散の困難を克服することができる。
象曰、初六之吉、順也。
○象に曰く、初六の吉は、順なれば也。
 小象伝は次のように言っている。初六は終に離散の困難を克服することができる。初六が九二に柔順に従い共に協力して離散の困難に立ち向かうからである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)賢い人に従って援助を求めれば、速やかに希望が叶えられる時。優柔不断でグズグズしてチャンスを失えば、希望は叶えられない。細かいことを気にして躊躇してはならない。速やかに実行すれば、吉運を招き寄せる。
○困難に遭遇する。速やかに力のある人に救助を依頼すべきである。

九二 ――‥ ‥―‥ (風水渙) 之卦 二十風地観

九二。渙奔其机。悔亡。
○九二。渙(かん)のとき其(その)机(き)に奔(はし)る。悔亡ぶ。
 九二は剛健にして中庸の德を具えている賢人だが、不正(陽爻陰位)不応(九五)で下卦坎の困難の真っ只中で、物事や体制が離散する時の困難は深まっている。賢臣九二は渙の困難を克服したいと強く思っている。そこで、自分を慕ってくれる部下初六の下に走り寄って、初六と共に安んじて時が至るの(九五の天子が発する大号令)を待てば、終には離散の困難を克服することができる。今は、離散の困難を克服することができないので、悔しい思いをするが、やがて九五が発する大号令により、離散の困難を克服するので、後悔することは一切なくなるのである。
象曰、渙奔其机、得願也。
○象に曰く、渙のとき其(その)机(き)に奔(はし)るは、願(ねがい)を得(う)る也。
 小象伝は次のように言っている。自分を慕ってくれる部下初六の下に走り寄って、初六と共に安んじて時が至るのを待つ。渙の困難を克服したいと云う九二の大願が成就するのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)身体を動かそうと欲するが、何かと人に後れを取る。それゆえ、進んではならない。固くその地位(持ち場)を守って、時を待つべきである。時を待てば運氣は自然と開けて行く。
○困難な状況に置かれる。部下と心を一つにして、忍耐して時を待てば、他から援助してくれる人が現れ、吉運を招き寄せる。
○風評によって人の心を動かして、一つの方向に誘導する時である。
○外から吉運がやって来る。困難な中に吉兆を招き寄せる時である。

六三 ――‥ ‥―‥ (風水渙) 之卦 五七巽爲風

六三。渙其躬。无悔。
○六三。其(その)躬(み)を渙(ちら)す。悔无し。
 六三は陰柔不正(陰爻陽位)で力不足だが、を克服したいと云う意志は強固(過ぎたる性格)である。そこで、離散の困難を救うために自分の身を投げ捨てて応ずる上九の下(もと)に馳(は)せ参ずる。最善を尽くすので、例え結果は出なくても、後悔することはないのである。
象曰、渙其躬、志在外也。
○象に曰く、其(その)躬(み)を渙(ちら)すとは、志、外(ほか)に在(あ)る也。
 小象伝は次のように言っている。離散の困難を救うために自分の身を投げ捨てて応ずる上九の下(もと)に馳(は)せ参ずる。離散の困難を救いたいと云う志を一致させ上九と共に力を尽くすのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)自分も困難な状況に陥っているが、上位の人(上司等)から自分の得意分野の仕事を依頼されたので、義理を立てて自分の身を顧みずに大義を貫く。その結果、事を成し遂げ、自分が陥っていた困難な状況からも脱出できる。身を殺して仁を成す時である。
○国家が困難な状況に陥っているのに、自分の身だけを守ろうとする。
○困難な状況に陥り、対処する策が尽きて、もはや、他の人に依頼するしか手立てがない時。