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易経(周易)を読み解く 百八五(風水渙 全体)

五九 風(ふう)水(すい)渙(かん)
   ||・巽風 ・|・坎水

                          互卦 二七山雷頤  綜卦 六十水澤節  錯卦 五五雷火豐

渙、亨。王假有廟。利渉大川。利貞。
○渙(かん)は亨(とお)る。王、有(ゆう)廟(びよう)に假(いた)る。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)し。貞(ただ)しきに利し。
 渙(かん)は物事や体制が離れ散る時。風(上卦巽)が吹き荒れて、水(下卦坎)が水面を離れ散る形をしている。一度は離れ散ってしまったものを集めて再び一つにまとめれば、終には物事がうまく進んで行くようになる。例えば何らかの困難に見舞われて何かが離れ散ってしまった時には、王様(組織のトップ)がお霊(たま)屋(や)にお参りして御先祖様(神仏)をお祭りすれば、御先祖様(神仏)も陰で応援してくれる。御先祖様(神仏)を大事にする王様(組織のトップ)の姿を見て、臣民(部下や国民)は王様(組織のトップ)を尊崇するようになり、組織を構成する人々の心は一つにまとまる。組織が一つにまとまれば大きな河を渡るような困難もみんなで乗り越えることができる。常に正しい道(組織を一つにまとめること)を固く守ることが肝要である。

彖曰、渙亨、剛來而不窮。柔得位乎外而上同。王假有廟、王乃在中也。利渉大川、乘木有功也。
○彖に曰く、渙は亨るとは、剛來りて窮まらず。柔、位を外に得て上(じよう)同(どう)すればなり。王、有廟に假(いた)るとは、王乃ち中に在る也。大川を渉るに利しとは、木に乘りて功有る也。
 彖伝は次のように言っている。一度は離れ散ってしまったものを集めて再び一つにまとめれば、終には物事がうまく進んで行くようになる。剛健の賢臣九二が中庸の德を具えて常に正しい道を歩み、柔順な六四の大臣(側近)が正しい位を得て、剛健中正の九五の天子(トップ)をしっかりと補佐するからである。あるいは、渙の時を天地否(―――‥‥‥)の変形(否の四爻と二爻が入れ替わった)と考えれば、否の閉塞逼迫した状況を突破するべく、陽の大臣(側近)が現場の中心で働く賢臣九二となり、現場の中心で働く陰の忠臣が王様(トップ)に仕える六四の大臣(側近)となって剛健中正の九五の天子(トップ)をしっかりと補佐するからである。
 王様(組織のトップ)がお霊(たま)屋(や)にお参りして御先祖様(神仏)をお祭りすれば、御先祖様(神仏)も陰で応援してくれる。御先祖様(神仏)を大事にする王様(組織のトップ)の姿を見て、臣民(部下や国民)は王様(組織のトップ)を尊崇するようになり、組織を構成する人々の心は一つにまとまる。王様(トップ)が正しく時に中(あた)る(組織を一つにまとめること)からである。
 組織が一つにまとまれば大きな河を渡るような困難もみんなで乗り越えることができる。しっかりした木の舟に乗って、大きな河を渡るように(上卦巽の木の舟と下卦坎水の大きな河の形をしている)、みんなで困難を乗り越えるのである。

象曰、風行水上、渙。先王以享于帝立廟。
○象に曰く、風、水の上を行くは、渙なり。先王以て帝(てい)に享(きよう)し、廟(びよう)を立つ。
 大象伝は次のように言っている。風(巽)が水(坎)面を吹き荒れて水滴を散らす形が渙の形である。昔の王様(トップ)はこの形に見習って、神仏をお祭りするために神棚や仏壇を大切にして御先祖様を敬い、離散してしまった人々の心を一つにまとめるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇航海中、大風に遭遇し、或いは、戦艦に衝突して、危険な状況に陥るが、間一髪の所で脱出できる。
○危険な状況に立ち向かって行き、神仏のご加護を賜る。
○あらゆる心配事が解決して、心配事から解放される。
○困難な状況に陥っているが、他人がやって来て救われる。
○寛大であることを大切にして、あえて人を咎めない。自ら正しい道を歩み行く人物は、最後には、大いなる幸を得る。
○大恩赦を実施して、寛大であることを認知させる時。
○困難や憂患に耐えれば、解脱する予兆となる。我慢できずに放心状態に陥れば、離散する予兆となる。
○心身共に不安定なので、朝決めたことが、夕方には覆(くつがえ)る。それゆえ、願いは叶わない。
○春の風が厳冬の氷を溶かして、氷が砕け散る時。 ○流れ散る時。
○家の財産を分散(処分)して、困難から解放される時。
○他人に救われる(助けてもらう)時。
○小さな舟が波や風に漂うように、困難に振り回される。
○巽の木(舟)が坎の水の上に浮かんで航海する時。
○運輸(船で物品等を輸送する時)の物語。
○神仏をお祀りすることに関する吉運の時。
○商売において、値段を高めに設定して売れ残る時。
○相手もいないのに、一人で怒っている。