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易経(周易)を読み解く 百六(雷風恆 四五上)

2021年12月6日

九四 ‥‥― ――‥ (雷風恆)之卦 四六地風升

九四。田无禽。
○九四。田(かり)に禽(えもの)无(な)し。
 陽剛不中正(陽爻陰位)の九四は、陰柔不中正(陰爻陽位)の初六と応じている。不中正同士が応じても善い結果は得られない。九四は陽剛で上卦震(動く)の主爻(狩人)なので動こう動こうとしており、初六は陰柔で下卦巽(伏せて入る)の主爻(禽獣)であり、道德心に乏しく思(し)慮(りよ)に欠けている。正応だが相性が悪く、幾(いく)久しく仲睦まじい夫婦の道を全うすることができない。禽獣がいない土地で狩りをしているようなものである。
象曰、久非其位、安得禽也。
○象に曰く、其(そ)の位(くらい)に非(あら)ざるに久しくす、安(いずく)んぞ禽(えもの)を得(え)ん也(や)。
 小象伝は次のように言っている。陽剛不中正の九四は本来自分が居るべきではない位(陽爻陰位)に久しく止まって動かない。どうして禽獣を獲ることができようか。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
〇下卦巽の上に乗っていることを自覚していない。自分は上卦震に属しており、さらに上を目指している。勘違いも甚だしい。見通しを完全に誤って、いくら苦労しても、報われない禽獣である。
○政治に携わっている人ならば、今の体制を一変するか、引退するかの決断を迫られる時である。一般人も同様である。
○自分の一存で事を決断しようとするが、失敗して後悔する。
○心の中がワサワサとして落ちつかずに、散財する時である。
○何事も、見ることはできるが、手に取ることができない。
○部下から信用が薄いのに、部下を酷使しようとする。どんなに頑張っても成果を上げられない。

以下省略。次の書籍をご覧ください。