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都知事選の行方 01

易占による考察(小池都知事は三選できるか?)

 令和六年六月三十日略筮法で「できる・できない」の判断を占筮したところ、次のような結果となった。

本卦 火雷噬嗑 ☲☳ 六三
互卦 水山蹇  ☵☶ 六二
綜卦 山火費  ☶☲ 六四
錯卦 水風井  ☵☴ 九三

 本卦の火雷噬嗑の卦辞・彖辞は「噬嗑は亨る。獄を用うるに利し」である。噬嗑は自分の願いを叶えるために、邪魔者を噛み砕いて退治する時である。今回の東京都知事選において、小池氏にとっての邪魔者とは彗星の如く現れた石丸氏のことであろう。小池氏が圧倒的に有利と報じられているが、石丸氏は加速度的に支持を集めており、ひょっとするとひょっとするかもしれないという状況である。
 火雷噬嗑六三の爻辞は「六三。腊(せき)肉を噬(か)み、毒に遇う。小しく吝なれども咎无し」である。腊(せき)肉とは石丸氏のことであろう。「腊(せき)肉を噬(か)み、毒に遇う」のであるから、石丸氏に予想外の支持が集まり、思っていたよりも苦戦すると思われる。だが、「小しく吝なれども咎无し」であるから、厳しいながらも三選を果たすものと思われる。
 しかし、物事の本質を現す互卦が四大難卦のひとつ水山蹇☵☶である。水山蹇の卦辞・彖辞は「蹇は、西南に利しく、東北に利しからず。大人を見るに利し。貞にして吉」である。西南は坤の方角なので、「西南に利しく」とは、無闇に動かないほうがよいという意味になる。また、東北は艮(山)の方角なので、「東北に利しからず」とは、山を登るような険阻艱難なことには取り組まない方がよいという意味になる。
 小池氏は選挙戦において街頭演説をほとんど行わず、公務を優先していると報じられているので、無闇に動いていないと解釈できる。だが、小池氏は学歴詐称疑惑があり裁判所に訴えられるなど、常に闇の世界が付き纏っており、出馬すべきではないとの声も少なくなかった。よって、出馬したこと事態が山を登るような険阻艱難なことに取り組んだと解釈することもできる。また、「大人を見るに利し。貞にして吉」については小池氏は全く当て嵌まらない。
 以上のことから、小池氏は三選できない可能性もある。
 また、相手の立場から観た綜卦は山火賁である。火雷噬嗑がひっくり返って山火賁となるので、山火賁の爻は四爻となる。四爻の爻辞は「六四。賁(ひ)如たり皤(は)如たり、白馬翰(かん)如たり。寇(あだ)するに匪ず婚媾するなり」である。「賁(ひ)如」とは盛んに飾ること。「皤(は)如」とは白い色。すなわち、「賁(ひ)如たり皤(は)如たり、白馬翰(かん)如たり」とは、飾り立てることを止めて、質素に戻ること。「寇(あだ)するに匪ず婚媾するなり」とは、相手を憎んでいるわけでなく、一緒に力を合わせて華美に過ぎる風俗を質素に改めようとすること。すなわち、華美に過ぎる小池都政を改めることの必要性を訴えている。綜卦から見ても、小池氏は三選できないかもしれない。
 錯卦の水風井☵☴は、小池氏の三選を脅かす石丸氏の選挙活動を表している。水風井は泥水が清水となり、古井戸が整備されて、多くの人々に清水を施す物語である。ただし、三爻の爻辞は「九三。井渫(さら)へども食(くら)はれず。我が心の惻(いたみ)を爲す。用て汲む可し。王明らかならば、竝(とも)に其福を受けん」とある。「井渫(さら)へども食(くら)はれず」とは、古井戸の清水を誰も汲み出してくれないこと。ここだけ見ると石丸氏は当選できない。だが、「王明らかならば、竝(とも)に其福を受けん」ともある。直訳すれば、王様が名君ならば清水を汲み上げてくれるという意味。選挙の主役は有権者なので「王」を「民衆」と読み替えれば、民衆が賢明ならば石丸氏が当選する可能性があることになる。
 総合的に判断すると、小池氏が三選する可能性が高いが、学歴詐称等闇の部分がマイナス評価となり、投票率が目に見えて上がり、東京都民の多くが石丸氏に投票すれば、石丸氏の当選もあり得る。