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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 14

四十.困難が解決した時       百八十六頁   雷水解 ☳☵
四十一.損して得する時       百九十頁    山澤損 ☶☱
四十二.得して得する時       百九十四頁   風雷益 ☴☳

四十雷水解 ☳ ☵ 震上坎下  困難が解決した時 百八十六頁
 雷水解☳☵は、水雷屯☵☳の上卦が下卦に、下卦が上卦に入れ替わった形。水雷屯は四大難卦の一つで「何かを産み出そうとするが、産まれそうで産まれない苦しみの時」である。
 水雷屯の時には上卦坎☵の水(慈雨)が降ってくる(生まれることの例え)ことを期待して、下卦震☳は一生懸命活動(震の性質)したが、結局慈雨は降ってこなかった。水雷屯の生まれそうで生まれない困難は水雷屯の時には解決しなかったのである。
 水雷屯の困難が解決するのは慈雨が降ってくる時だから、上卦と下卦が入れ替わり、上卦震☳、下卦坎☵で成る雷水解☳☵の時になってから(慈雨が降ってきたの)である。

四十一山澤損 ☶ ☱ 艮上兌下  損して得する時 百九十頁
 山澤損☶☱は地天泰☷☰の変形である。地天泰の上六が下に降って六三となり、九三が上に昇って上九となったのが山澤損である。地天泰☷☰の時には下卦は全て陽爻だったが、山澤損☶☱になると下卦の陽爻は一つ減って上卦に移動した。すなわち、下(下卦)が損して(陽爻が減って)、上(上卦)が得した(陽爻が増えた)のである。
 人間社会に当て嵌めると、会社においては、業績が落ちたので、従業員の賞与を減らした。従業員は損するけれども、会社の財政は健全化して、その後業績も伸び、利益も増加する事になるので、次の賞与は倍増して従業員は喜ぶ。

四十二風雷益 ☴ ☳ 巽上震下  得して得する時 百九十四頁
 山澤損☶☱は地天泰☷☰の変形だったが、風雷益☴☳は天地否☰☷の変更である。天地否上卦の四爻が下卦の初爻に下り、下卦の初爻が上卦の四爻に登ると風雷益☴☳となる。天地否☰☷の上卦九四の陽爻が下卦初六の陰爻と入れ替わることにより、陽爻を得た下卦が益して、陽爻を失った上卦が損した。
 人間社会に当て嵌めると、会社においては、会社の業績が上がったので、従業員の賞与を増やした。会社の利益は減少するけれども、従業員がやる気になってよく働くので、会社の業績はさらに伸びて、利益も増え会社は繁栄する。