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しらす神々 その十八

「しらす」統治のはじまり

楽園に降臨した「にぎ」の神は、「しらす」統治を行うに中って、何からはじめたらよいかをブレーンである「いぃ」の神様に相談したところ、「いぃ」の神様は、「幾久しく楽園を『しらす』ために、一緒に歩んでくれるお嫁さんを見付けるべきでしょう」とアドバイスしてくれた。「いぃ」の神様はお付きの神々に命じて、楽園の中から「にぎ」の神に相応しい女神を二人連れてきた。
一人は「このは」姫といい、とても美しかった。もう一人は「いわ」姫といい、お世辞にも美しいとは言えなかった。「にぎ」の神は、ひと目で「このは」姫を好きになり直ぐにでもお嫁さんにしたいと思った。だが、「いわ」姫はどうしても好きにはなれず絶対にお嫁さんにはしたくないと思った。
「いぃ」の神様は、「このは」姫は誰よりも美しくて聡明であり、「いわ」姫は誰よりも健康で長命なので二人とも娶って沢山の皇子を産みなさいと「にぎ」の神にアドバイスしたが、「にぎ」の神はどうしても「いわ」姫はお嫁さんにしたくないと言い張った。
困った「いぃ」の神様は、「いわ」姫をお嫁さんにしないと、永遠の命を失って限られた寿命しか生きることができなくなりますよ。それでも、よいのですか?と確認したが、「にぎ」の神は、それでもよいから、「いわ」姫は絶対にお嫁さんにしたくないと頑として言い張る。仕方がないので、「このは」姫だけお嫁さんとして迎え入れ、「いわ」姫にはお帰り頂くことになった。「にぎ」の神のわがままで「いわ」姫には気の毒な思いをさせることになった。
「しらす」とは、「相手のことをよく知り、相手の立場になって、相手のことを思いやる」ことだから、「いわ」姫に恥ずかしい思いをさせた「にぎ」の神は、一時的とはいえ「しらす」心を忘れてしまったのである。
また、このことによって、「にぎ」の神とその子孫は永遠の命を失って、限られた寿命しか生きられなくなってしまった。
「しらす」心を忘れてしまった「にぎ」の神は、お嫁さんに迎え入れた「このは」姫に対しても思いやりに欠けることをした。以下省略。