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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 20

五十八兌為澤 ☱ ☱ 兌上兌下  調和し悦び笑い合う時 二百六十九頁
 兌為澤☱☱は悦びに悦びが重なって、みんなが調和し、お互いに悦び笑い合う時である。自分の悦びを優先することなく、相手の悦びを自分の悦びとすれば、思いやりの気持が芽生えて、調和した状態を維持することができる。自分の悦びを優先して、相手の悦びを犠牲にすれば、段々人間関係が壊れて喧嘩が始まり、お互い傷付くことになる。

五十九風水渙 ☴ ☵ 巽上坎下  砕け散ってまとまる時 二百七十三頁
 風水渙☴☵は、上卦巽☴の突風(外部環境の大きな変化)により下卦坎☵水の水面が砕け散って(組織が)バラバラになる。(トップが)危機感を抱き、原点(先祖の御霊や組織創業の理念)に戻り、求心力を高めて、バラバラになった(組織の)状態を一つに纏(まと)め(組織を以前よりも)一体化させることに成功する(雨降って地固まる)時である。

六十水澤節 ☵ ☱ 坎上兌下  程よい節度を守る時 二百七十七頁
 水澤節☵☱は「程よい節度を守る」時である。「節」の字は白川静著「字統」平凡社によると「竹の約(ふし)なり」とあり、竹の屈曲し結節するところをいう。と書いてある。竹は節が節目となっているからしなやかで折れない。節度とは竹の節目のことである。節目が程よい状態を保っているから、物事が順調に進むのである。