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易経六十四卦と本書(時の物語)の関係 19

五十五.名君が暗君に堕落する時   二百五十四頁  雷火豊 ☳☲
五十六.アウェイに赴く時      二百五十九頁  火山旅 ☲☶
五十七.大人(立派な人)に順う時  二百六十五頁  巽為風 ☴☴

五十五雷火豊 ☳ ☲ 震上離下  名君が暗君に堕落する時 二百五十四頁
 雷火豊は大盛運(吉運)がアッという間に大衰運(凶運)に転ずる実に怖い時である。下卦離☲の太陽が上卦震☳の動きにより、大きく世の中を動かしている。世の中は活発に活動する太陽のエネルギーを沢山浴びて、どんどん活動を盛んにする。大地に太陽のエネルギーが燦々と降り注ぐので、樹木がアッという間に成長して巨木になる。巨木はどんどん成長していき、人々が暮らしている町並みを覆うようになる。巨木が町並みを覆うので、太陽のエネルギーは全て巨木に吸い取られて、町並みは真っ暗闇となる。

五十六火山旅 ☲ ☶ 離上艮下  アウェイに赴く時 二百五十九頁
 火山旅☲☶は下卦艮☶の山の上に上卦離☲の火がある。これを山頂で火事が発生した形と捉え、火の動きを人の動きとし、下卦艮☶の山を見知らぬ土地(旅先・出張先等)として、長期間見知らぬ土地を旅する人、見知らぬ土地で長期間仕事や生活をすることになった人が見知らぬ土地に溶け込むための物語とする。

五十七巽為風 ☴ ☴ 巽上巽下  大人(立派な人)に順う時 二百六十五頁
 巽為風☴☴は、立派な人(大人)に教え導かれて謙って(巽順にして巽順に)順う時。
 「十七澤雷随☱☳に似ているが、澤雷随は随うべき相手に随う時であり、巽為風は立派な人(大人)に教え導かれて順う時である。巽☴には「迷う、疑う、不決断、偽る、騙す、多欲」などの悪い性質もある。それを自分の欠点と自覚して、立派な人(大人)を見付け、その話をよく聞き、教え導かれて成長する(陰陽五行で巽は成長した木)がよい。