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抜粋「現代語訳(超意訳) 呑象高島嘉右衛門著 増補 高島易斷 上下巻 占例篇」 火水未済 二

2022年9月15日

未済 六三 |・| ・||

六三。未濟。征凶。利渉大川。
□六三。未(いま)だ済(わた)らず。征(ゆ)くは凶。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)し。
 下卦坎(険)の極点。未だ未完成の時を脱出できない。軽挙妄動すれば自滅する。未完成から完成の時に移行する大事な段階。正応上九と正比九二・九四の支援を得て、準備を整えてから舟(互卦二三四・離)を浮かべ、大(たい)川(せん)を渉(わた)るように細心且つ大胆に対処するがよい。
象曰、未濟征凶、位不當也。
□未(いま)だ済(わた)らず。征(ゆ)くは凶とは、位(くらい)、当(あた)らざる也。
 軽挙妄動すれば自滅する。柔弱不正で能力乏しく、独力では大川を渉れないのである。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての原文の一部。
(占)我ガ才力ヲ計リ、然ル後ニ進ムベシ、然ラザレバ、身心ヲ痛ムル程ノ憂慮アルベシ、又思ハザルノ援助アリテ我ヲ濟フコトアラン、運盛ニシテ力足ラザルノ時トス、・・・
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占いの見立ての現代語訳。
(占)才能と力量を具えて慎み深い人物である。本業を大切にして、時が至るのを待って、
(占)自分の才能と力量を知った上で進むべきである。闇雲に進む時は心身共に苦しむことになる。また、想定しなかった支援者が現れて自分を助けてくれる。盛運に向かっているが、力不足の時。貴方の氣力が満ち溢れていれば、功業を成し遂げることができる。
○今は進んではならない。だが、大事業を成し遂げられる盛運の時が、到来しようとする予兆を感じ取れる。
○戦闘・戦争に関して、海軍には有利な時だが、陸軍は進んではならない(不利な)時である。
○旅行は、海路をお勧めする。陸路はお勧めできない。

 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の原文の一部。
(占例)友人某來リテ、運氣ヲ占ハンコトヲ請フ、乃チ筮シテ、未濟ノ第三爻ヲ得タリ、
 以下、高島嘉右衛門著高島易斷の占例の現代語訳。
(占例)ある友人がやって来て、運氣を占ってほしいと頼まれたので、筮したところ未済の三爻を得た。
 易斷は次のような判断であった。
 未済は、今は成し遂げられないが、後には必ず成し遂げることができる時である。今回占って三爻が出た。三爻の段階では、苦労に苦労を重ねて成し遂げることができなかった事業を、未だに成し遂げることができない。さらに苦労を重ねる時である。来年になれば運氣は開け始める。しかし、今年はいくら頑張っても運氣は開けない。このことを、貴方は知らない。貴方は一生懸命勉強すれば事業を成し遂げることができると思って、頑張れば頑張るほど大いに苦労・困窮する。以上を「未(いま)だ済(わた)らず。征(ゆ)くは凶。下卦坎(険)の極点。未だ未完成の時を脱出できない。軽挙妄動すれば自滅する。」と云う。
 貴方が、苦労に苦労を重ねても一向に結果が出ないことに挫折して、日々の努力を怠れば、来年になって運氣が開け始める時が到来しても、運氣を掴み取る氣力に欠けて、大事業を成し遂げられない。そこで、今の段階から、来年になれば運気が開き始めることを知って、寸時も怠ることなく、勉強に励んで来年に備えるべきである。このことを「大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利(よろ)し。未完成から完成の時に移行する大事な段階。正応上九と正比九二・九四の支援を得て、準備を整えてから舟(互卦二三四・離)を浮かべ、大(たい)川(せん)を渉(わた)るように細心且つ大胆に対処するがよい。」と云う。
 結果が出るのは三年後(三・四・五爻の段階)。来年からは運氣が開けて行くので、それまでは準備期間と心得るべきだと易断した。
(易占の結果は書いてない。)