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易経(周易)を読み解く 二二(山水蒙 全体)

四 山(さん)水(すい)蒙(もう) ―‥‥艮山 ‥―‥坎水
互卦 二四地雷復  綜卦 三水雷屯  錯卦 四九澤火革

蒙、亨。匪我求童蒙。童蒙求我。初筮告。再三瀆。瀆則不告。利貞。
○蒙は亨(とお)る。我、童(どう)蒙(もう)に求むるに匪(あら)ず。童蒙、我に求む。初(しよ)筮(ぜい)は告ぐ。再三すれば瀆(けが)(けが)る。瀆るれば則ち告げず。貞しきに利し。
 蒙の時は無知蒙昧な幼児(童蒙)に喩えることができる。童蒙は蒙昧なので何をやっても通じないが、適切な師について教えを受ければ、蒙を啓くことができる。蒙が啓ければ、物事が通じるようになる。
 師(我=九二)から進んで童蒙を教え導いてはならない。童蒙(蒙昧な指導者=六五)から進んで師に教えを求めるのである。
 蒙の時を占筮に例えて言えば、最初の筮に現れた吉凶禍福に絶対服従すべきである。それを疑い、再び占筮を求める人は蒙昧なので二度と占筮してはならない(易経を学ぶ資格のない人物である)。
 童蒙が素直な心で師に教えを求めれば教え導くが、少しでも疑う心が見えれば教えてはならないのである。童蒙も師も正しい道を固く守れば、蒙の時は啓けるであろう。

彖曰、蒙山下有険。険而止蒙。蒙亨、以亨行、時中也。匪我求童蒙、童蒙求我、志應也。初筮告、以剛中也。再三瀆、瀆則不告、瀆蒙也。蒙以養正、聖功也。
○彖に曰く、蒙は山の下に険有り。険にして止まるは蒙なり。蒙は亨(とお)るとは、亨るを以て時(じ)中(ちゆう)を行う也。我、童蒙に求むるに匪(あら)ず、童蒙、我に求むとは、志應(おう)ずる也。初(しよ)筮(ぜい)に告ぐとは、剛中を以て也。再三すれば瀆(けが)る、瀆るれば則ち告げずとは、蒙を瀆(けが)せば也。蒙以て正しきを養うは、聖の功(こう)也。
 彖伝は次のように言っている。蒙は山(上卦艮)の下に険難(下卦坎)が在る。険難(坎水陥)の上に止まる(艮山止)のが蒙の時である。童蒙の蒙昧さが啓けるのは、童蒙を啓蒙すべく、師が時に応じて適切に教え導くからである。師から進んで童蒙に教えてはならない。童蒙から進んで師に教えを求めるのは、童蒙の志に師が応ずることが肝要だからである。
 童蒙が素直な心で師に求めれば教え導くのは、師が剛健中庸の德で童蒙を教え導くからである。童蒙に少しでも疑う心が見えれば教えないのは、疑いの心をもって師に教えを求めるのは啓蒙の道を瀆すことになるからである。童蒙を正しく教え導き修養させることによって、童蒙を将来の聖人に育てるのである。

象曰、山下出泉蒙。君子以行果德育。
○象に曰く、山(さん)下(か)に出(い)ずる泉は蒙なり。君子以て行いを果たし德を育(やしな)う。
 大象伝は次のように言っている。山(艮)の下に湧き出る泉(坎)が、流れ流れて大河となり大海に至る。これが蒙の時の卦象である。君子はこの卦象を見習って、山の下に湧き出る泉が紆余曲折しながら大河に至るように、果敢に事を成し遂げて、己を修め君德を養い育てるのである。

【以下、高島易断から占いとしての見立てを引用】
(占)智者といえども、この時ばかりは、策略を考えたり、実行したりすることができない。どの方向に進んで行くのか迷って、蒙昧な行いをしてしまう。しばらくは、心を磨くために、真理に到達する智恵が啓かれるのを待つべきである。
智者が愚に返る(智者の愚行)という謗(そし)りを受ける時。
小賢しい技巧を用いれば、ますます窮する。自分を益してくれる友だちを捜し求めて、誠信と篤実の心で付き合い、その意見を取り入れるがよい。篤実な心で人と付き合い、コツコツと事を為せば、やがては、必ず栄えることになる。
○智恵が足りないので、困難の中に陥る時だが、必ず免れる道がある。智恵のある人に従えば、険阻坎難から抜け出ることができる。
○あらゆることに迷い迷って決断できない時。何事に取り組むにも、初めの段階で慎みの心を大切にすべきである。
○始めに決断して、あれこれ迷わないように心を安定させ、お付き合いする相手のことを妄りに疑わないように慎むべきである。
○実直だが人から信用されない。配慮しても、やることが稚拙なので、苦労することが多い。疑う心や迷いから離れることができない。
○配慮に欠けるので、直接関係がないことで苦しみ悩む時である。
○心の中に苦しむことや思い悩むことがある。気持ちを整理してすっきりしたいと思うが、自分の他にも苦しみ悩む人がいて、自分の気持ちを整理することができない。
○知識不足で、事業が達成できない。
○手形や契約文書などで騙されることがある。注意すべきである。
○今は物価が安いが、やがて高くなる。