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天命に生きる 実語教 童子教 の教え(一部掲載)

2026年2月26日

 玉磨かざれば光無し。光無きを石(いし)瓦(かわら)とす。
 人学ばざれば智無し。智無きを愚人とす。

 宝石の原石でも磨かなければ光を発しない(宝石としての役割を果たせない)。光を発しない宝石の原石は光を発しない石瓦と何ら変わりがない(磨けば宝石になる原石として生まれてきた甲斐がない・磨けば役に立つ人間として生まれてきた甲斐がない)。
 これと同じように、才徳高い人間として生まれてきても、世のため人のために役立つ人間になろうと志して古典を学び陰徳(人が見ていない所でひそかに行う善き行い)を積み上げていかなければ、知識を見識(信念)や胆識(リーダーシップ)に高めることができない。見識や胆識の無い知識人(沢山の知識が頭に入っているだけで、信念もなければ、リーダーとして誰からも尊敬されない学歴エリート)は愚人(ろくでなし)と変わらない。


嘗(かつ)ての日本人は「天命に生きる」人生を歩んでいた。「実語教」や「童子教」など、古くから伝わる日本の教えを學んだからである。今の日本人は古くから伝わる日本の教えを學ばなくなってしまった。そろそろ、日本の教えを取り戻さないと、日本が日本でなくなってしまう。そんな思いで本書を書いた。

実語教では「天命」のことを「天地」といい、それは「父母」と「孝」、あるいは「師君」と「仕」の相互作用で成り立つ。そのことを「父母は天地の如く、師君は日月の如し。(中略)父母には朝夕に孝せよ。師君には昼夜に仕えよ」と書いてある。

童子教では「天命」のことを「仏」といい、それは「仏道を求む」と「仏道を成ず」の相互作用で成り立つ。そのことを「(前略)花を折って仏に供する輩(ともがら)は 速やかに蓮(れん)台(だい)の趺(はなぶさ)を結ぶ。上は須(すべから)く仏道を求むべし 中(なか)ばは四(し)恩(おん)を報ずべし。下(しも)は徧(あまね)く六(ろく)道(どう)に及ぶ 共に仏道を成(じよう)ずべし」と書いてある。

実語教と童子教が普及したのは、江戸時代に寺子屋のテキストとして用いられたからである。実語教は平安時代の終わり頃に成立したと言われ、明治時代になっても読まれていたという。何と千年近く子供たちのテキストとして読まれ続けてきたのだ。童子教は鎌倉時代の終わり頃に成立したと言われている。いずれにしても、長い期間にわたって子供たちは「実語教」と「童子教」を読んで人格を形成した。

今の「自分のために生きる」日本人に、是非、「実語教」と「童子教」を読んでいただき、「天命を生きる」人生を歩んでほしいと思う。

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