六十三.水火既済 ☵ ☲ 完成したが伸びしろがない時
□既(き)濟(せい)は亨ること小なり。貞しきに利し。初めは吉、終りは亂(みだ)る。
完璧な(完成した)形をしているが、既に完成しているので伸びしろがない。大事は不可。
◎象に曰く、水、火の上に在るは既濟なり。君子以て患(うれい)を思うて豫(あらかじ)め之を防ぐ。
☆天下泰平な時に将来のことを心配して予想される事態に備え、予め対策を講じるべし。
○初九。其(その)輪(わ)を曳(ひ)く。其(その)尾(お)を濡らす。咎无し。
☆完成し伸びしろがない時の始めに中って慎重であれば咎められるような過失は犯さない。
○六二。婦(ふ)、其(その)茀(ふつ)を喪ふ。逐(お)ふ勿(なか)れ。七(なの)日(か)にして得(う)。
☆期待している事が誰かに邪魔され期待通りに進まないので失望する。急ぐと災難を招く。
○九三。高(こう)宗(そう)、鬼(き)方(ほう)を伐(う)つ。三年にして之(これ)に克(か)つ。 小(しよう)人(じん)は用(もち)ふる勿(なか)れ。
☆伸びしろがないのに無謀にも大きな事をやろうとする。やらないほうが賢明である。
易経は本当に面白い。しかし、「易経は難しい」という印象で読まない人が多い。
そこで、毎日持ち歩いていつでも読める易経入門書を書くことにした。易経の原型は今から四~五千年前に古代支那の伏羲(ふつき)が考案したと伝わる「八卦(はつか)」と「六(ろく)十(じゆう)四(し)卦(か)」である。陰陽の概念を根幹に生み出された八卦が重なって出来た六十四卦の物語(宇宙空間におけるありとあらゆる現象を説明する時の物語)が易経の本質であり魅力である。
本書は「これ以上簡単にできない易経入門」の現代語訳を大幅に見直し、誰もが易経(易占い)を好きになるように工夫して書いた。一人でも多くの人に読んでほしい。
日本の教え研究家 白倉信司
