五.水天需 ☵ ☰ 結果が出るのをゆったりと待つ時
□需(じゆ)は、孚(まこと)有り。光(おおい)に亨(とお)る。貞なれば吉。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利し。
正しい(慈雨をゆったりと待つ)道を守れば吉運を招く。難しい事に取り組んでもよい。
◎象に曰く、雲、天に上(のぼ)るは需(じゆ)なり。君子以て飲食宴(えん)樂(らく)す。
☆前に進もうとすれば、険阻坎難に遭遇する。何事も時が至るのをゆったりと待つべし。
○初九。郊(こう)に需(ま)つ。恆(つね)を用(もち)うるに利し。咎无し。
☆時機が到来するのを待っている。よく本業に安んじて尽くし、妄りに進んではならない。
○九二。沙(すな・しや)に需(ま)つ。少しく言(げん)有れど、終(つい)には吉なり。
☆前途に妨害が待ち構えていることを察知して、進まず止まって時が至るのを待つべし。
○九三。泥(どろ)に需(ま)つ。寇(あだ)の至(いた)るを致(いた)す。
☆事を成し遂げようとする意欲が空回りする。自ら困難を招き寄せ進退が自由にならない。
六.天水訟 ☰ ☵ 組織内の争い事を調和させる時
□訟(しよう)は、孚(まこと)有りて窒(ふさ)がる。惕(おそ)れて中すれば吉、終れば凶。大(たい)人(じん)を見るに利し。大(たい)川(せん)を渉(わた)るに利しからず。組織内の争い事や訴訟は勝ち負けを争ってはならない。調停すべきである。
◎象に曰く、天と水と違(たが)い行くは訟なり。君子以て事を作(な)すに始めを謀(はか)る。
☆組織内で争い事や訴訟が起こらぬように、組織の設立目的を明確に定めるべきである。
○初六。事とする所を永(なが)くせず。小しく言(げん)有り。終(つい)に吉。
☆上司(九二)に誘われ争い事に加わるが、勝ち目がないので早く撤退すべきである。
○九二。訟(しよう)に克(か)たず。歸(かえ)りて逋(のが)る。其(そ)の邑(ゆう)人(じん)三百戸(こ)。眚(わざわい)无(な)し。
☆組織を相手に争い事を起こすが勝ち目がない。負けん気の性格が裏目に出た。反省せよ。
○六三。舊(きゆう)德(とく)を食(は)む。貞(てい)なれども厲(あやう)し。終に吉。或(あるい)は王(おう)事(じ)に従えども成す无(な)かれ。
☆争い事に巻き込まれずに持ち場を守る(本業を大事にする)がよい。目立とうとするな。
