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はじめての易経 10.天澤履

十天(てん)澤(たく)履(り) ☰ ☱ 乾上兌下

 互卦 三七風(ふう)火(か)家(か)人(じん) ☴☲
 綜卦  九風(ふう)天(てん)小(しよう)畜(ちく) ☴☰
 錯卦 十五地(ち)山(ざん)謙(けん)  ☷☶

 天澤履はカリスマトップに必死で付いて行かなければ危ない時。自己過信して頑張らない人は命を落としかねない。五爻のカリスマトップが独裁体制を敷いている。五爻に逆らえば首を切られて命が危ない。だからみんな必死で頑張る。頑張るから本来の自分の力以上の結果を出すことができる。
 けれども、下卦兌☱の主爻(主)である三爻は自分の力を過信している。兌☱には「口達者、佞人、腰砕け」という意味がある。三爻は自分は陰爻陽位で力不足なのに、それを自覚していない。三爻は下卦の上位に居るから現場の長である。下の二陽に支えられて現場の長の役割を果たしているのだが、自分の力で現場を管理していると勘違いしている。だから、みんなが必死で取り組んでいるのに必死にならない。それゆえ、独裁者であるカリスマトップに目を付けられて殺されるような仕打ちを受ける。
 独裁体制を敷いている五爻のカリスマトップも誉められたものではない。今は力があるからみんな命令に従っているが、力を失えば周りから蹴落とされかねない。謀反で命を失った独裁者織田信長のような末路を辿りかねない。
 とにかく天澤履の時には「虎の尾を履む」ことのないように、慎重の上に慎重でありながらも、カリスマトップに必死に付いて行き、己の力を最大限に発揮して周りから期待されている以上の結果を上げるように努力すべきである。

 以上が天澤履の概要である。